これまで観た横山キャラで最も美しいキャラだと思います。
私は白土カムイもそう思ってしまうので忍び系に弱いのかもしれませんが。
ネタバレしますのでご注意を。
4巻の冒頭の相手、妙に長身イケメンでおかしい。
なんかエロいんだよ。
でも
このスタイルがどうしても笑える。
サディスト兄さん。
石つぶてはカッコいいと思う。
で、この勝負土鬼が勝ちもう少しでとどめを刺すところで持病が出てしまい左腕がきかなくなってしまう。
男(左門)は最期に合図を送って無明斎を呼び寄せる。無明斎は左門を抱き上げ最後の忠告を聞く。(こういう甘い人間関係があるのが横山風味)
左腕がしびれて動かなくなった土鬼はまたもや霧兵衛と出会う。
霧兵衛はここでも土鬼を気遣うが無明斎らに捕まり催眠術で土鬼の居場所を言わせられた後に殺されてしまう。
(最後まで土鬼の味方であってくれた)
土鬼は無明斎の一味に襲われ縛り上げられ殺される間際になって無明斎の「待て」の一言で救われる。
駿河大納言・徳川忠長が死罪となった知らせを受けた無明斎は急ぎ山へ戻る決意をしたのだ。
「土鬼を殺してからでも」と反駁する部下を殺して無明斎は土鬼に「腕をなおして山に来い」と言い残して去っていった。
温泉場で腕を治す土鬼。(お金はどうしたのだろう)てか温泉で治るのね。
湯上りにはちゃんと浴衣を着る。(からにはお代を払っているのだろう)
こやつら柳生十兵衛の一味であった。観光気分か。「湯上りのいっぱい」って
がこの後、土鬼の正体に気づいて襲い掛かる。しかしこんな奴らにやられる土鬼ではない。
「やめい」と入ってきたのが柳生十兵衛。
十兵衛は土鬼を助け去っていった。
土鬼の狙いは無明斎と戦い殺すこと。
柳生十兵衛たちも同じ目的であった。土鬼は十兵衛より先に無明斎と勝負せねばならないのだ。
血風党の四天王の一人左門はすでに土鬼によって死に至った。
残る三人は無明斎に土鬼を助けたのはなぜかを問いただす。
無明斎は駿河大納言の死によって血風党の後ろ盾がなくなった今「裏の武芸」を誰かひとりに伝えておきたくなった、という。無明斎は三人と土鬼が戦い勝ち残った者にすべてを教えると告げる。
三人のうちのひとり小源太がまず土鬼と戦う。山における雪の中の戦い。土鬼は戦いの心得を語りながら小源太を打ち破る。
次に土鬼の前に立ったのは柳生十兵衛だったが十兵衛は土鬼と戦って自分が討たれる予想図を感じる(そんなこと思ったら勝てないとは思うが)
十兵衛は「俺には役目がある」と言って刀を収めてしまう。それを見た部下が代わりにと斬りかかるが簡単に土鬼にやられてしまった。
小源太の死体を見つけたのは四天王のひとり鉄牛。
ひどくなってきた降雪の中山小屋で手下たちと酒を飲んで温まっていたが酒に痺れ薬が仕込まれていたため手下たちは皆殺されてしまう。痺れ薬を入れたのは柳生十兵衛一味だった。
生き残った鉄牛は十兵衛の部下二人を殺した後土鬼に出会う。
うーむ。なんかいやらしいやつ。
柳生十兵衛は偵察にいったふたりが戻ってこないので進み始めると鉄牛と土鬼の戦いに出くわしてしまう。
なんかさ。おかしいの。
鉄牛も土鬼の前に倒れた。
十兵衛は土鬼に行動を共にしないかと誘うが断られる。
さて終盤。土鬼の強さは究極となっていく。
そして容赦しないのが横山ヒーロー。最後の四天王・才蔵相手に徹底的に戦う。
横山マンガ男の戦いはエロチシズムそのものだと思う。
そして土鬼は容赦なく戦う
こうして四天王をすべて倒した。
だからいちいちいやらしいんだよな。
無明斎は四天王全てが殺されたことを聞く。
そしてやはり四天王に突き抜けた者がいなかったのだという思いに至りますます土鬼に会いたい気持ちが募るのであった。
(いったい何なのだろうか、この思い)
無明斎は部下に「柳生十兵衛一味を雪崩の谷に引き込んで殺してしまえ」と命令するのだがここに先に入ってきたのが土鬼だった。
部下はやむなく土鬼ごと雪崩の下敷きになるよう仕掛けて無明斎に報告した。
が、十兵衛は部下と共に生き残っていた。
しかも土鬼は雪崩に生き残っていただけでなく
熊を殺して焚火をして食っていた。むしゃむしゃ
土鬼は十兵衛たちに「ここへきて食ったらどうだ」と誘う。
こういうてきぱき感が好き。
土鬼はひとり無明斎のもとへと進む。
無明斎は雪崩にあった土鬼が生きていたと知って喜ぶ。そして裏の武芸を学ぶ道場にふたりきりで入り最後の修行をするのだ。
(なんかいちいち)
一日目の修行が終わると傷の手当てをしてまた明朝に始まるのだった。
がついに無明斎が土鬼に倒される時が来た。
無明斎は皆の者を集め血風党解散を宣言する。幕府にとってもう血風党は不必要であり抹殺しようと討伐隊を送ってくるからだ。
これを聞いた部下たちは徳川家のために尽くしてきた無明斎のために戦うと意気込む。しかし無明斎は討伐隊は何度でもやってくる。わしと違っておまえたちは若い。無駄に命を捨てるなと立ち去った。
みんな無明斎が好きだったんだな。もらい泣き。しかしハンカチを使うのは少しおかしい。
無明斎に裏の武芸の極意を授かった土鬼は無明斎に敬語で話しかけていく。無明斎は最期を覚っていた。
そこへ柳生十兵衛が現れ無明斎を討とうとするがこれを土鬼が止めその前に手合わせをしたいという。
これを受けた十兵衛。
無明斎の目前で試合を行う。
十兵衛は兜割をという秘太刀を行おうと土鬼を追い詰めていく。
が十兵衛の刀が振り下ろされた時土鬼はそれをすでに見破っていた。
今度は土鬼が十兵衛を追い詰め八節棍を使って十兵衛を倒しまさにその頭を叩き斬る寸前にまで至ったところで止めた。
土鬼は日本一の剣豪をやぶったのだ。
無明斎は土鬼を立ち去らせ自ら城に火を放ち自決した。
その後、土鬼はいずこへともなく去っていった。
その消息はさだかではない。
すばらしい男の生き様でした。
少年・土鬼の容貌もあり年老いた男との対決もあり『バビル二世』を彷彿とさせます。横山光輝という作家は少年と老いた男の戦い、という設定がベースとしてあるのでしょうか。
しかしバビル二世と友達になりたいと願いながら果たせなかったヨミに比べ無明斎はしっかりと裏武芸の極致を受け継がせることができ土鬼から敬意の眼差しを感じることができたのだから幸福だったと言えますね。