ガエル記

散策

『戦国獅子伝』横山光輝/辻真先

辻真先原作の横山マンガです。作品はまったく知らなくてどんなものなのかと興味津々での購入でした。

まだ『史記』の途中なのですがなかなか歯ごたえある作品なのでちょっとこちらに息抜きという感じで寄り道してみようと思ったらあまりにも意表を突く面白さだったので一気読みしてしまいました。

とにかく横山マンガとしては珍しいエログロが繰り広げられます。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 


三国志』と同じ1972年からの作品。そのせいもあってか主人公の父親が張飛そっくり(ヘアバンドも同じ)でちょっと戸惑うようなおかしいような不思議な感覚になりました。

主人公は今まで私が観てきた横山ヒーローとしてはかなり荒っぽい男むさい感じです。(上の首下げてる人です)(私のこれまでの横山ヒーローのイメージはやはり品の良さですね)

とはいえやっぱり王子様なので基本的には上品だし先に行くほどその品の良さがにじみ出てきましたね。

私的に張飛的な荒っぽい感じも好きなので少し残念でもありましたが横山先生は主人公には品格が欠かせないのでしょう。

もちろんそこが魅力です。

 

 

ところで先に『史記』を読んでいてとても良かった。内容が『史記』を下敷きにしたようなものだったのです。これから読もうと思われてる方は『史記』を少し読んでいるとより面白いのではないでしょうか。

 

主人公・文竜の父は斉の鬼王と呼ばれているような勇猛な王であった。時は春秋時代。南方の大国・楚と北方の新鋭・斉との戦いでいちはやく騎兵隊を採用した斉が勝利を収めた。

鬼王・烈公が帰国し凱旋したがその横で怪しげな呪術師・怨黒雲の周りに人だかりしているのを見とがめた烈公は怨黒雲を捕えさせ腐刑を命じる。

一物を切り取られた怨黒雲はその痛苦に悲鳴を上げのたうつが「鬼王よ。闇はわしの世界じゃ」と呪文を唱え烈公を呪った。

怨黒雲の呪いは十日後までに衰弱死する、というものだった。烈公は呪いの裏をかくために自決しようとするができない。

その姿を見た息子の文竜は父の愛妾と寝て怒りを買い、父と剣を交えて刺し殺す。

息子・文竜が涙を流すのを見て父・烈公はその意志を知った。

ここ見たら主人公・文竜が好きになってしまいますわ。かっこいい。

 

こうして文竜は父王を殺して不忠不幸の汚名を着ることとなり国を捨てて旅に出た。

その供をするのは一頭の獅子であった。

 

中国なのにペットがライオン???

いくら王子様とはいえ・・・これも後でなぜかという言及はありますが(後付けのような気も)

この「不忠不幸の徒

ライオン・・・ってこのくらいの大きさかなあ?

 

まあいいか。

さて次はどうなるのか待ち遠しいでしょう。