ガエル記

散策

『殺人者の記憶法』ウォン・シニョン

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またさらに凄いの観てしまいました。

頭が韓国映画向けになっていない時に録画していてよかったです。

韓国映画はなんやかやと良い特徴が多いのですが小さな女の子をとても愛らしく演出できるのがまた凄い。めちゃ可愛いんですよね。

 

アルツハイマーになった連続殺人者の物語、ということでどこが真実でどこからが虚構なのかわからなくなってくる、というとても好みの設定構想です。

もちろん数学的な脚本が必要となってきますが韓国映画はそこが得意ですらあるように思えます。

(日本作品はなぜか理数系が極端に苦手だし、理数系作品を評価しない傾向があるように思えます)

 

 

ネタバレになるかもです。ご注意を。

 

 

ソル・ギョングの作品も結構観てきました。いつも鋭くて怖い顔なのですが、本作は髪を長く伸ばしていてかなりコメディチックなのがおかしくもありよけい怖くもあります。

ところでこの作品のほうが古いのですがソル・ギョングの演技が『ジョーカー』を彷彿とさせるのですが、これはいったいどういうことなのでしょうか。

あちらがソル・ギョングを参考にしたのか、たまたま同じような演出・演技だったのか。こちらを後に観てしまったので不思議なデ・ジャビュでした。

 

とにかく「面白い映画とはこういうものだ」というような作り手の凄みを感じます。

出演者たちがそろってぴたりとくるキャラで演技達者でありますし。田舎町を舞台にし家屋の古い感じもとても絵になって画面を眺めているだけでも良い映画を観ている感があるのですね。

これは映画として掛け替えのない価値観になるのです。

 

連続殺人者への恐怖、映像の美しさ、そろって上手い演技者たち、考えられたパズル脚本、文句なしに楽しめる映画作品でした。

 

ところで『キリング・ストーキング』の比較評論はもう終えたのではありますが、この映画もかなり参考にされているのではないかと思いました。