ガエル記

散策

『サスペリア』(2018)ルカ・グァダニーノ

f:id:gaerial:20200203055748j:plain

f:id:gaerial:20200203055809j:plain


ダリオ・アルジェントサスペリア』のリメイク作品ですが、えげつなく凄い映画でした。

 

ネタバレですのでご注意を。

 

 

 

リメイク、と聞くと前作より劣化したものがほとんどという印象があるものですがこの作品においてはそれは当てはまらないだけでなくリメイクという冠詞が必要なのかとさえ思えます。

前作が赤を基調としたまばゆいほどの色彩の魔術であったの対し本作は暗く重い闇があり鋭い苦痛を感じさせられます。

 

前作ではバレエ学校が(たぶん)若い女性を集めるための設定だったと思われますが本作での設定コンテンポラリーダンスそのものが魔女の儀式として使われます。

特に主役を突然辞めてしまうオルガの代わりにスージーが踊る場面で彼女の動きに反映してオルガの体が不気味に捩じれ苦悶の声をあげるという表現は恐怖でしたが、妙に惹かれて何度も観てしまいました。

 

メイン出演者が男性ばかりという映画作品は多いですが女性ばかりでしかも支配的な男性は出てこない、という作品はまだそれほどありません。

今後はこうした女性の内面を描いた作品が増えてくるでしょうしそれを望みます。