ガエル記

散策

『三国志』再び 横山光輝 二巻から三巻冒頭

再び、っていうよりもっと読んでますが解りやすくしましたw

 

ネタバレしますのでご注意を。

「再び」読むと、この2巻時点の劉備関羽張飛たちの若々しさに涙してしまう。

明日をも知れない流浪の身、「国のために」と命懸けで戦ってもなんの後ろ盾もない彼らは礼をされるどころか侮蔑の態度で追い出されるばかり。

が、後に関羽曹操の客人になりその忠義心を自分に向けて欲しいと望んだ時関羽は答える。「玄徳様とは長い間貧しい食を分け合い苦労を共にしました。その思い出があなたとの間にはない」と(だいたいこのような)

マンガに描かれていない部分でもこの三兄弟が寝食を共にしたエピソードが数知れずあるのだと二次創作的な想像を掻き立てられてしまう。

「二度と戻らぬきらめく青春の時代よ」と振り返るにはあまりにも辛い時期だとは思うのだが後の関羽は実はこっそりこの時期を懐かしんでいたのではなかろうかとこれまた二次創作的に感じてしまう。あやつ苦労をあまり感じてなさそうだし、張飛と比べると。

張飛は思ったままを直接表現してくれるから読んでいて気持ちがいい。

一番苦悩するのは長男である玄徳よね、とは言いたいが玄徳って案外あんまり苦労を苦労と思ってない気もする。

そういうのんびりした気質だからこそ二人から敬愛されていたようにも思えるし。

ってことはやっぱり一番苦悩していたのは張飛ではないか。張飛としては自分の活躍で早く玄徳アニキを偉くしてあげたいのになかなかうまく上がれないのを気にしていたんじゃないかと思ったりする。

苦労を楽しんでる関羽とまったく気にしてない劉備の間で一人悶絶している張飛、かわいそうだ。

 

そして劉備たち兄弟はここであの曹操と邂逅する。

曹操のかっこよさ!登場からしてすでに他と違う

馬がもう美しいもの。

勝鬨を上げようという段になり

この出会いに震える。

 

ざわざわざわざわ

 

そして三巻の冒頭はさらに悲哀が濃くなる。

黄巾の乱は賊がすべて討たれ官軍の大勝利で幕を閉じる。

洛陽の街は七日七夜お祭り騒ぎとなるが劉備たちとそれに従った義勇軍は城外で沙汰を待つだけだった。

上手いなあこういう演出。

 

しかし冬が近づいてきても何の沙汰もなくやっともたらされたのは地方の警察署長の任命のみだった。

それでは義勇軍の兵たちを養うことはできない。劉備は彼らに礼を述べ兵たちも劉備に別れを告げた。

 

ここからも張飛の苦しみが続くw

都からきた悪徳督郵から賄賂を求められそんなことができない劉備に業を煮やした督郵は住民に「玄徳は住民から税金を搾り取っている」と訴状を書かせて都へ送ったというう。返事が届き次第劉備は罰せられるというのだ。

これを聞いた張飛は怒り督郵を縛り上げ木に吊るし(やったれやったれ)棒きれで思いきり叩きのめす(やったれやったれ)

ここへ劉備関羽が駆け付けるが

 

今まで沈黙していた関羽が口を開く(張飛までびっくりしてるw)

玄徳は天子の御名を恐るるのみ、と答えるが

「なに言いだすの?」てな張飛がおかしいw

関羽はこれまでの国の玄徳への対応をここでぶちまける。

ここで語る関羽の言葉はとても大切だ。

「我々もまた住むべき場所を誤った」

このことを認識できずもしくはしようとせず苦しんでいる人(日本人)のなんと多いことか。

すっきりした

よくぞ描いてくれました