ガエル記

散策

マンガ

『悲夢』キム・ギドク 『二つのドラマ』手塚治虫 少し『キリング・ストーキング』

たぶん初鑑賞だと思うのですがもしかしたら過去ブログ記事に書いてたら観てるのでしょうw 以下ネタバレしますのでご注意を。 見知らぬ男女の夢がつながっていてその男の夢のせいで女が苦しむ、という不思議な物語です。 この映画を観ていて思い出したのがま…

『嘆きのピエタ』キム・ギドク 『どろろ』

もともとクギ作『キリング・ストーキング』の批評として選んだ『嘆きのピエタ』(未見だったにも関わらず)でしたがこちらのほうだけもう少し。 以下ネタバレしますのでご注意を。 お前を捨てた母親だと言ってイ・ガンドの前に現れた女性ミソンでしたが実は…

『キリング・ストーキング』クギ その4 『嘆きのピエタ』キム・ギドク 

前回の説明どおりかつて心酔していた映画作家キム・ギドク作品でしたが『うつせみ』(私は『空き家』となっていた頃観ましたが)を最後に次第に離れギドク氏の人格にも疑問を抱いてこの作品『嘆きのピエタ』は観ないままでした。 『キリング・ストーキング』…

『キリング・ストーキング』クギ その3 『悪い男』

クギ作『キリング・ストーキング』によってかつて耽溺しその後否定してきた「痛愛」を再び見直そうとしている私です。 「痛愛」というのは今思い浮かんだ言葉です。その言葉ではちょっと足りない「激痛愛」というべきか歪んだ愛の形であり傍から見れば愛とい…

『キリング・ストーキング』クギ その2 『愛の嵐』

『キリング・ストーキング』で久しぶりに心が動いた気がします。キャラのふたりのどちらも好きではないしむしろむかつくくらい嫌いなのだけど嫌いでも心は動されてしまうしどうしようもなく離れられなくなるのです。それは作品中のふたりが互いを思っている…

『キリング・ストーキング』クギ その1

www.lezhin.com 読み終わったばかりで今はぼーーっとなっている状態です。 私が読んだのは紙媒体のほうではなくネットで公開された全編です。 感受性の強い若かりし頃は感動することが溢れていたのですが年を経てから神経は鈍くなりどんな作品を観ても読んで…

「100分de萩尾望都」その4『ポーの一族』

最終項『ポーの一族』です。夢枕獏氏が論じられていました。考察だけでなくなにより夢枕氏の『ポーの一族』そして萩尾望都愛に感動してしまいました。 氏が何度も萩尾氏に『ポー』の再開をお願いされたことでそれが叶ったのであるなら夢枕氏にどれほど感謝し…

「100分de萩尾望都」その3『バルバラ異界』

番組を観る前『バルバラ異界』が取り上げられないのではないかと思って「これが最高傑作なのに」と思わずツイッターに書いてしまったのですが中条氏が選んでくださっていてうれしい限りでした。しかも私と同じように「これが最高傑作ではないか」とも言われ…

「100分de萩尾望都」その2『半神』『イグアナの娘』

続きです。 前回に続きヤマザキマリ氏が語る『半神』と『イグアナの娘』どちらも深い考察で納得でした。 『半神』はリアルタイムで読んで衝撃を受けただけでなく野田秀樹の舞台も観たという私としては珍しい体験をしています。 初めて観た夢の遊眠社の舞台に…

「100分de萩尾望都」その1『トーマの心臓』

録画やっと鑑賞しました。 内容知らなかったので昨日ツイッターで「萩尾望都といえば『ポーの一族』『トーマの心臓』だろうけど私は『バルバラ異界』が最高傑作だと思います」と書いたのですが、ちゃんと番組内で取り上げられていましたね。 中条省平さんあ…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その4

続けます。 山岸凉子他の作品についてもネタバレしますのでご注意を。 タイトルに「完結した」と書いてしまいましたが、山岸凉子という作家においてこの物語は完結したのでしょうか。 山岸凉子ほど自分の内面を見つめ恐ろしい心理を描き抜いた作家はいないと…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その3

続けます。ネタバレしますのでご注意を。 山岸凉子著『レベレーション』は『日出処の天子』と違って史実に忠実に描いた、と作者自身書かれていますが、私は同じく作者本人の心が反映された物語そのもの、と考えています。 他にあまり書かれたことがなかった…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その2

昨日の記事に「この考察は的外れだ」という指摘があったのですが私にとっては的にめり込む考察であります。この考察をして書かなければ私にとって山岸凉子を読む意味がありません。 では続けます。 ネタバレしますのでご注意を。 巻末に『逃げるは恥だが役に…

『レベレーション』山岸凉子 完結したジャンヌ・ダルクの物語 その1

『レベレーション』6巻。 山岸凉子氏が描いたジャンヌ・ダルク物語が6年を経て完結しました。毎年クリスマス頃に発売されていたので覚えやすく毎年楽しみでした。 以下ネタバレします。他の山岸凉子著作についてもネタバレしますのでご注意を。 実は『レベ…

二次創作は許されるのだろうか

昨日はコンテンツの流通システムが改善されないなら日本サブカルチャーは滅亡してしまうという記事を書きました。 今日はコンテンツの二次創作について自分の考えを書いてみます。 コンテンツといってもこの場合はほぼマンガとアニメの二次創作です。 以前は…

『美少女を食べる』諸星大二郎 その3

さて最後です。 ネタバレしますのでご注意を。 「タイムマシンとぼく」ノスタルジックなSF。 「俺が増える」 漫勉で紹介されていた作品です。諸星氏独特の笑いがあります。 場所はどこなのでしょうか。北アフリカかトルコか。 男が異国の地で奇妙な体験をす…

『美少女を食べる』諸星大二郎 その2

昨日の続きです。 ネタバレしますのでご注意を。 「月童」「星童」 「ユエトン」「シントン」と読みます。 諸星氏の中国ものはまた特別に好きなのです。 本書のタイトルは『美少女を食べる』ですが分量としては前後編になることもあってこの「月童」「星童」…

『美少女を食べる』諸星大二郎 その1

私にしては珍しい新刊読書でした。いつも時間が経ってからしか本も映画も見られないからなあ。 先日漫勉で諸星さんのを観てから持ってた本を引っ張り出して読み返したりしていて久しぶりに本屋に行ったらあったのでこれはきっと巡りあわせだと思って買ったの…

「右翼とオカルト」を考える『鬼滅の刃』『カミヨミ』『鋼の錬金術師』

『鬼滅の刃』の人気が続いています。私はアニメの最初を観てその後もちらちらと観てはみたのですがどうやら好みではないようだと思ってあきらめています。 それでも最初に観てみたのはこの作品の設定を聞いて「大正時代を舞台にした右翼オカルト」かーと凄く…

諸星大二郎と『進撃の巨人』

諸星大二郎マンガに『流砂』という作品があります。1982年発表のものですが私は『ぼくとフリオと校庭で』という単行本で読みました。 以下ネタバレしますのでご注意を。 この本はとても面白い作品が詰まっています。あとがきに作者氏が「気に入ってるものが…

『そして〈彼〉は〈彼女〉になった 安冨教授と困った仲間たち』細川貂々

はい。安冨歩さんの「これまで」を知りたくてKindle版で購入読了しました。 もちろんこれまでもYouTubeなどでお話を聞いたりしてなんとなくのイメージを抱いてはいたのですが、この本を読んでみたらそうした想像とはかなり違っていたので驚きでした。やはり…

『マージナルMarginal』萩尾望都

「いずれすっかり死ぬだろう」 萩尾望都著『マージナル』の登場人物メイヤードのこのセリフが心の支えになっています。 もちろんこれは悪態をつきたいからの発言で本心ではないのです。 以下、(というか上もだけど)ネタバレになりますのでご注意を。 メイヤ…

『王妃マルゴ』萩尾望都 再再再読

時折ちょこちょこ読み返してはいるのですが今回結構読んでしまって「やっぱりすごい」と唸ってしまったので感想を書いてみることにします。 ネタバレしますのでご注意を。 全8巻ですが、物凄く濃密な内容です。一般的なマンガ作品なら50巻以上は軽くいってし…

「ライオンブックス」『あかずの教室』手塚治虫

昭和46年6月21日号少年ジャンプ掲載、となっています。 とにかく初めて読んだ時にその鮮烈な表現に恐怖してトラウマになった作品です。 典型的なポルターガイスト作品なのですが当時の私にはたぶん初めてそういう話をマンガで読んだはずで震えあがりました。…

おたおたする男ー萩尾望都ー

萩尾望都の魅力的なキャラと言えば、無論最初に出てくるのは『ポー』のエドガー『トーマの』のユーリやオスカーなどクールで大人びたイメージのものでしょう。 初期中期の男性キャラはそうした知的で落ち着いたかっこよさに惹かれたものですが萩尾氏の後期に…

『ロバと王女』ジャック・ドゥミと「星の素白き花束の・・・」山岸凉子

邦題が珍しくシンプルですが実際は『Peau d'âne』でそのまま『ロバの皮』なのでこれでもやっぱりちょっと違う感は否めないのです。『ロバと王女』ではロバと王女になにかが起きてしまうようですが王女がロバの皮を被って行動する話なのでむしろ 『王女はロバ…

もし『トーマの心臓』を映画化するのならば

ふたりが帰ってきた直後たそがれるオスカー 萩尾望都の名作『トーマの心臓』何度読み返したかはわからないマンガです。 非常にくだらない考え方かもしれませんが萩尾望都がその実力を思えばとても価されない評価しか与えられていない気がするのですが、その…

『ヨルムンガンド』その3

以前にも書いたんですけど『ヨルムンガンド』の最大の魅力はなんといっても「女性キャラ」です。 男性キャラも大好きなので女性キャラを特筆するのも何なのですが、高橋慶太郎氏の女性キャラは現在の日本マンガ界、さらにアニメになった場合は稀有、と言って…

『ヨルムンガンド』その2

昨日は『ヨルムンガンド』の作者・高橋慶太郎氏の絵はあまり巧くないが、と書いたのですが同時にとても上手くて魅力があるのです。 特にキャラクターの描き方がとても好きなのです。 日本のアニメとマンガは強く関係していてそれほど好みの違いは異なってい…

求めるのはヒーローなのです

最近ちょこっと考えてみたことを書きます。 いろいろな作家(小説・マンガ・映画など問わず)の中でも特別に話題になる人とそうでもない人がいます。 例えば素晴らしい実力があり面白い作品を書いている(作っている)のにさほど注目を集めない人と、それほ…