ガエル記

散策

『セカンドマン』横山光輝 その2

かっこいいA1(アタックワン)ターミネーターレプリカントか。

でもこっちが先。

 

さて昨日の続きです。

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

ここにきて「???」という展開になっていく。

 

テレパシーに導かれいきなり遭遇したA1を倒すことができた健児はその声の主がいる場所へ歩き続けると「早く来てくれトカゲの大群にみな食べられてしまう」と今まで頼もしかった声が気弱になる。

とはいえ健児が急ぎ駆け付けるとそこには声のいうとおりオオトカゲの大群が人々をパクッパクッと飲み込んでいた。

健児はA1から取り上げた銃で次々とオオトカゲを倒し「誰かいるか」と呼びかけた。

「ここにいるよ。どうやらわしだけはトカゲのえじきにならずにすんだようだ」と出てきたのは

たぶんこの人がテレパシーの主、だと思うのが当然ですがこの後まったく「ではあのテレパシーはあなたが?」「そうじゃ」みたいな会話が描かれていないのだ???例えば「テレパシーは使えるがきみのような別の超能力はないのじゃ」とか。

かといってやってきて当然というような対応なのでやはりこの人がテレパスとは思うのだが(一度読んだのだけど)これ以降ふたりがテレパシー会話を行っていない?し、彼以外の人物が登場して「あの声は私だったのだ」的な展開もない・・・・。

 

横山先生、忙しかったのかな・・・

いや私が読み込めていないのか?

 

謎。

 

更なる謎もある。

 

ここでこの老人(?)が「今生きている人間は殆どこの姿なんじゃ」と説明する。そして「いや一つ例外はある」と言って紹介したのが

ユミという少女なのだ。彼女だけがなぜ完全健康体で美しいのか?はさておいて。先ほど老人「どうやらわしだけはトカゲのえじきにならずにすんだようだ」と言ったばかりではないか。そのすぐ後で登場するのは・・・謎すぎる。

横山先生、忙しかったのかな。

いやこの少女は数に入っていなかったんだろう。何かの意味合いがあってだね。

それはいいとしてもだ。

では健児が最初に出会った男はなんだったんだろう?

あの男性もまた完全健康体だったし、トカゲに食べられてしまったということはロボットではなかったのでは・・・

横山先生、忙しかったのかな。

いやこの時代のロボットは食べられる組織でできているのかもしれん。

新しいスーツ姿だったしな。

 

さてこの老人、「とっぴなおねがいだがふたりのはだかを見せてくださらぬか」と言い出す。「今ではそんな五体満足の人間などほとんどおらぬ」「おねがいじゃ。わしの目にもう一度見せてくれ。美しかったほんとうの人間のすがたを」とひざまずく。

うわあ、希少価値。横山光輝による男女の全裸場面。(といっていい?)

しかしこの時、老人が触るのが健児のほう。というのが横山氏。

(うう。でもこの作画。健児が服着てる?老人にすはだ触られるのがそんなに嫌だったんか)

 

この後ふたりはすばやく服を着る。

そしてユミは「メデュウサ」の出現を心配する。メデュウサとは

らしい。

A1(アタックワン)なのに防御でメデュウサの方が攻撃、っていうのもおもしろい。

 

三人はトカゲのしっぽを切り取って彼らの住み家へと向かう。そこは洞穴だった。

そこには老人と同じような人々が共同生活をしているのだった。

人々は三人が持ち帰ったトカゲのしっぽを生のまま食べ始めた。健児もすすめられたが食べることができなかった。

 

健児は自分が冷凍ボックスにはいって二百年経っていたことを話す。老人はその二百年の間に世界がどうなっていったかを説明していく。

人間が生み出した公害が空気を汚し工場の排水が川をどぶに変えた。

自然が破壊され異常気象が起こり始め地球に変化を起こした。

地球を厚いスモッグが包み地球の熱を逃がさなくなり温度が四度あがって北極南極の氷を溶かした。地球は水浸しとなったが僅かの資源を求めて戦争が起きた。何十億という人間が死んだ。

ここにいる連中はもう子供は産めない。

生めるのはきみたちふたりだけじゃ、と老人たちはふたりにひれ伏した。

「二度とあやまちを起こさぬ第二の人間社会を作り出してくれ」

 

健児はユミに「どうしてあの町に人間が住めないのか」と問う。

「あの町には認識バッジを持っている人間でないと入れないの」

続けて老人が説明をした。

 

世界中で戦争が始まった時人々は地下に逃げ込み戦争が終わればまた地上で生活しようと考えた。

そのためコンピューターとロボットに町を守らせた。防御役のA1とメデュウサロボットを置いた。

そして認識バッジを持っている者だけが町に入れるように登録した。

だが戦争はそう簡単に終わらなかった。

地球上は荒れ果てほとんどの人間が死に絶えてもまだ戦争は続いた。機械が戦争を続けたのだ。その機械も破壊された時やっと戦争が終わった。

 

すでに地上の町は破壊されていた。コンピューターが無事に動いている町だけが再建を始めた。

そして長い年月をかけあの町を作り上げいまだに認識バッジを持った主人の帰りを待っているのだ。

(なんだか泣ける)

 

この話を聞いた健児はコンピューターのプログラムを書き換えここにいる人々が町に住めるようにしましょうと訴えた。自分が目覚めた研究所でコンピューターに関する知識が学べると考えたのだ。

周囲で聞いていた人たちも「第二の人類を栄えさせるためには危険を承知でどりょくしなければならんだろう」「そうじゃ、みんなで健児くんに力を貸すべきじゃ」と言い出した。

 

ううむ。この時代、というか横山世界の人々は前向きで自分を捨てて義のために働くのだ。

今だったらこうすんなりいかないような気がする。

 

決意後、すぐに健児たちは行動を始める。そこへメデュウサが現れた。

メデュウサの恐ろしさを知っている老人たちは健児とユミを行動させるため自分たちを犠牲にする。

健児はこれを知ってメデュウサと戦う。

メデュウサを倒した健児を老人は讃え美しい世界を思い出しながら死んでいった。

 

健児は研究所にたどり着く。そこには健児が想像した以上に新しい時代の知識や必要品が準備されていたのだ。

健児とユミはそこで勉強しコンピューター書き換えのテープを用意して老人たちの住み家へと戻った。

そして持ってきた武器を携え老人たちと共に町を取り戻しみんなで人間らしい生活をするんです、と訴え老人たちもこれに答えた。

おじいさんたち、がんばって!

 

ここからおじいたちのゲリラ戦が始まる!

ええっ、これって「小学四年生」じゃなかったっけ?

むしろ「老人の友」的な雑誌に掲載すべきじゃ。

 

横山光輝描くおじいたちはたくましいぞ。

すばやいっ

なんかわくわくすっぞ。

まだまだ若いもんには負けん。

 

でも敵はぴちぴちロボットだからなあ

なにくそ

いやこれ老人が読むべき

おじい!

 

しかしおじいたちはくじけない自分たちの夢を託した健児を送り出すために自らを犠牲として戦い抜く!!!

 

泣きそう。

これまでこんなにおじいがかっこよかったマンガがあっただろうか。

 

しかし横山光輝はおじいにも容赦はしないんだよな

いや少しは手加減してよお

 

おじいいいいい

いやごめん、もう大感動なんで。

昔の人間なんでこういうのには弱い。

おじいいいいい

 

最期は伏せる。

あの最初に健児と出会った(テレパスがどうか結局判らず)おじいは最期まで戦い抜いたよ。

 

健児とユミはおじいたちに守られコンピューター室へ進んだ。

もうこの辺かつてのマンガ映画そのもの。

ここでも幾つもの難関を突破し二人は目的を果たす。

テープ、っていうのがすごい。さすがにテープじゃないだろうなあ未来。

 

こうしてコンピュータープログラムは書き替えられた。

ふたりは外へ出ておじいたちに伝えようとした。

が、二人を守ったおじいたちは皆死んでいた。

あっさり。

完。

 

実際はもう少し余韻あります。

この「アダムとイブ」ラスト、あの頃凄く多かったよね。

横山先生も他作品でもやってるけど実際は世界に男女一組からってできるのかな。

DNA書き換えくらいでやれるのかな????

 

ところであの男性の謎はどうなったんだあ???

案外いるんじゃない、どこかにもっと?

セカンドマン計画案外普通にやれるのかも。

 

とにかく『セカンドマン』の一番のヒーローはおじいたちだった。号泣。