三巻前半「半蔵暗殺帳の巻」を続けます。
ネタバレしますのでご注意を。
気のせいか、この回は絵がすごく急いでいるというか雑な感じがする。それともこういうタッチを意識した描き方なんだろうか。
しかしとても可愛い場面もある。それはフクロウ。半蔵配下の甚内が用いる。
忍犬ならぬ忍フクかわいい。頭が良くてかわいい。
飼い主・甚内もやさしい。
めっちゃ役に立つ。かわいい。
ホウホウかわいい
しかし飛騨忍者は伊賀忍者の死体に化けて屋敷内に侵入し再び半蔵の巻物を狙う。
またまた睡眠薬をかがされる半蔵。たるんどるぞ。
しかし巻物は見つけきれなかった。
そして半蔵忍者も侵入者である飛騨忍者独眼房兵馬を見つけきれない。
が、その兵馬を見つけたのは他ならぬフクロウだった。
ひどい!こいつ許さん。こういうかわいそうな場面は見せたくないのだけどあまりにかわいくて(どっちなんだ)
かわいそうなんだけど落ち方がかわいくて
甚内は
フクロウの悲鳴を聞き逃さない!
太郎。特別なフクロウだったんだね。小さくてかわいい。
太郎の仇は討つ!
兵馬おまえは許さねえ
翌日またも地面からでてきたところを
太郎のかたき~
やっつけろー
でも
ひどい!
駆け付けた影丸たちは死んだはずの伊三次が生き返っているので驚く。ここで兵馬は正体を現した。
甚内は太郎の仇を討たせてくれとフクロウたちをけしかけた。
フクロウたちは兵馬の目を突き甚内がとどめを刺した。
やったね
影丸くんの後ろ姿。キュートだなあ。
影丸たちは兵馬の死体を杉の木の上に吊るし飛騨忍者をおびき出した。
兵馬の死体は共同墓地に埋められたが様子を伺っていた飛騨忍者がそれを掘り起こすに違いない。
果たして墓地を掘り返し小舟で死体を運ぶ者を追って隠れ家を見つけたが運ばれた死体は偽物で運んだ忍者もまた催眠術で動いていただけであった。
フクロウの甚内は次郎を使って小舟の中に本物の死体があるのを見つける。
しかしそこへ飛騨忍者たちが現れ甚内を取り囲んだ。
甚内はフクロウたちに攻撃を命じたが飛騨忍者たちは箱から大量のネズミを出してフクロウたちをおびき寄せた。
フクロウたちはネズミを捕るのに夢中になってしまい甚内の命令は無視されてしまったのだ。慌てる甚内は水中にひきずりこまれ殺された。
駆け付けた影丸は甚内の死体を見て涙した。
それを見た不知火内膳と戦うことになった影丸は痺れ薬の木の葉で気絶させ屋敷に連れ帰る。
天真が催眠術で聞き出した情報は「徳川家にとりつぶされた白柄家三十万石の復讐のため残りの巻物を奪えという命令を寒月斎から受けた。白柄家へのご恩に報いるためだ」不知火内膳はすべてを話す前に仲間の黒夜叉に口封じに殺されるがその黒夜叉もまた捕らえられ寒月斎の杖に巻物が隠されていることを話し催眠術が解かれた後それを知って自害する。
寒月斎の居場所と巻物の隠し場所を知った影丸たちは行動を移す。
そして寒月斎から巻物の内容を知らされる。
その内容とは「幕府による暗殺の記録」徳川幕府は己の地位を守るため目の敵になる大名を次々と殺していった。それが世に知られることとなれば幕府は覆されてしまう。
いわば幕府の知られたくない闇の歴史なのだ。
それを聞いた影丸は「むむ。おそろしい」と口にする。だがそれでも「奪い返せと命じられている。何も聞かなかったことにして守り通す」と言い返したのだった。
影丸たちに取り囲まれた寒月斎は己の負けを感じ奥歯に仕掛けた毒を飲んで死んだ。
いったい忍者は何のために存在するんだろう、という虚しい終わりなのだ。
この寂しい余韻がなんともいえず
ところで自分の勝手な思い込みなのですが上に挙げた表紙の影丸を見た途端思い出したのがこれです。
これは山岸凉子著『テレプシコーラ』第二部三巻で主人公の六花ちゃんがバレエシンデレラストーリーを踊っている場面なのですが。
な、なんか似てる?と思ってしまった。(たぶん私だけ)
と言っても山岸凉子氏の作品は横山光輝氏の影響がとても強いのです。
この場面(シンデレラ)を描く時に記憶の奥底にあった影丸くんがついつい浮かんでしまったのでは、と思ったりしたのでした。
こういうバレエです。忍者の動きとバレエが似ていると感じるのもおもしろいです。