最終巻です。
少年マンガとして5巻で不足なくきっちり終わるというのは最初から計画していたということなのだろうか。
『デビルマン』も5巻で終わるのだけどあの物凄い話が全5巻でできるのだから全5巻というのはそういうものなのかもしれない。
ネタバレしますのでご注意を。
破壊された東京。
その中で記者会見が行われた。まずは官房長官が「我々には戦う気はありません。いや戦えないんです」と説明する。「六神体の五体まではマーズが片付けた。しかし残りの一体をやっつけると地球が吹っ飛ぶのです」
さらにマーズとは何者なのか、を毎朝新聞社が語る。「わかったことはこの少年も人工細胞によって生み出された無性生殖人間です」「どうやら宇宙人は地球人の好戦的な性質を怖れ地球人の化学兵器が発達した時、この七人の無性生殖人間によって地球を消すように指令していったようです」「またマーズが命令を出すか死んでもガイアーは爆発するようになっています」「マーズが何故宇宙人の指令通り動かなかったのか、その原因はわかりませんがおそらく秋の島新島の噴火で百年早く目覚めたことが何か影響しているのかもしれません」
何もできずただ地球消滅を怖れながら過ごすしかない、ということが判明する。
とはいえ何らかの解決方法がないかと考えてはいた。マーズを「安全な場所」に閉じ込め(きわめて友好的に)その間にガイアーを分解して中にあるはずの核爆弾の起爆装置を取り外そうと試みたのだ。
しかし解体できるようなガイアーではなかった。
そして最後の六神体目が現れる。
球体の神様とは?
これは悩む(いや少し)
というか、名前が「ラー」なのでこれはすぐ「太陽神ラー」を思い浮かべた。これもエジプト神話だ。それだけではピンとこないので画像を見るとすぐに理解したw
頭に球体が乗ってる。これだ。太陽神だから太陽なのだ。
(ところで太陽神ラーのwikiを読むとラーは人間を滅ぼすために女神セクメトを地上に送った、とある。女神セクメトはラーを崇めない人々を殺戮した、と書かれていてすごく興味深い。地球人滅亡物語を作りたいのなら是非使いたいキャラクターではないか。エジプト神話に凝っていてなぜ横山光輝氏はセクメトを使わなかったのだろうか。彼女はまた伝染病の女神でもあるという。凄い作品が出来そうだ。横山光輝氏の「女性出さない主義」がここでも発揮されたのか。ま、勝手な言い分でしかないけど)
またラーはスカラベ=フンコロガシでもある。
このフン自体が太陽を意味していてやはり本作ラーの球体を思わせる。
(ところでスカラベ=フンコロガシは雄しかいない、と思われているらしい。横山氏~)
なのでこの球体はまさに太陽神ラーの太陽なのだ。つまりフンが空を飛んでいる?やだあ
とにかくラーは東京を破壊し偶然ガイアー(の解体作業場)を見つける。
六神体は死を恐れない。というか命令を遂行すればそれはすなわち死を意味しているのだがそこに何の躊躇もないのだ。
ガイアーを見つけたラーはすぐさまガイアーに体当たり攻撃を行う。最後の六神体である自分が破壊されてもガイアーを破壊してもどちらでもいいのだ。
この状況はすぐにマーズに知らせられたがマーズの「バリアーを張り巡らせ」の命令はその場所からは届かなかった。
マーズは外へ出て再びバリアーの命令を下す。しかしそれでラーはマーズの到来を知る。
ラーは探知ロボットを発射してマーズの居場所を探る。
さらにラーは「マーズを出さなければこのあたり一帯を廃墟とする」と発した。
しかしマーズを出せばすべては終わるのだ。
なにもできないままの地球人たちにラーは攻撃を加えた。街は破壊され司令官は瓦礫に押し潰された。
ラーはマーズを探し続ける。マーズは地下道へと逃げた。そこには逃げのびてきた人々もいた。
「もっと奥へ逃げてください」というマーズに人々は「マーズだ」「こいつのせいでなにもかもめちゃくちゃだ」と襲い掛かる。
そこへマーズをかばう人物がいた「マーズにもしものことがあったらどうなるか」
人々は止まったが「なぜ日本にいるんだ」「日本から立ち去れ」とものを投げつけ始める。
探知ロボットでマーズの居場所を見つけたラーはそこへ核爆弾を落とした。
がその核爆弾はガイアーによって引きつけられガイアーは地球外までそれを運んだ。
すぐさま追いかけたラーだが自らを爆破するには至らなかった。
(しかしそれでいいのだったら適当な場所で核爆発すれば外部から攻撃できるのでは?)
ひとつだけの核爆弾を失ったラーは地下道での人々の行動を見て地球人を攻めることでマーズを攻撃させることを思いつく。
街を破壊し人々を追い詰め苦しめ「マーズを出せば攻撃をやめる」と言い続ける。
そうしてる間に岩倉記者が残した「解読できずにいた文章」が解読され「ラーの内部から機械を壊せばガイアーは爆発しない」ということをつきとめる。その事実はマーズにもたらされた。
ラーは次々と探知ロボットを発射するがマーズはこれを破壊することでラーの視界を狭めた。直接見る範囲のみがラーの視界となったためマーズは球体に近寄り目となっている小さな穴にガムを貼りつけてラーを完全に盲目とした。
やむなくラーは外へ出てその部分のガムを取り除くしかなくなった。その隙にマーズは内部に入り込み破壊した。
ラー操縦者は自らの力でマーズを倒そうと襲いかかる。ふたりの戦いが始まる。
が、ラーはマーズに負けてしまった。最期にラーはいかに人間たちが恐ろしいかを訴え「お前が正常にもどればチャンスはある」と言い残す。
しかしラーを倒しても何も起きなかったことで彼らの戦いを見ていた人々が一斉に怒りを爆発させてマーズに襲い掛かったのだ。
マーズは叩きのめされた。それを見た自衛隊員たちがマーズを守ろうとついに人々を打ち殺し始める。
傷ついたマーズは立ち上がり地球人が地球人を撃ち殺し続けるのを見た。
「ナントイウミニクイ姿ダ」「コレガ人間カ」「ドウシテボクハコノ動物ヲ守ロウトシタ」
こうして地球は消滅した。