横山先生の描く赤子はかわいいなあ。赤ちゃんを可愛く描ける人って案外いないんですよ。
ネタバレしますのでご注意を。
向かって右側が赤子を背負った佐助。中央が真田幸村。
さて昨日の続き。
燃え盛る火の海に入って行けと幸村に命じられ従った才蔵は黒焦げになって戻ってきた。
今度は佐助が「行ってみよ」と命じられる。
悲壮な忠義心を見せる佐助。
こういうのがたまらなくおかしくてむずむずするのが横山マンガの醍醐味だ。ふたりとも跪いてるのもおもろい。
幸村は背負った赤子が泣きださないのはおかしいと告げる。
意を決した佐助は赤子をおぶったまま燃え盛る炎の中へ入った。
佐助は熱さにたじろぐが赤子はばぶばぶと笑うだけ。佐助は無心になろうと念じた。
左の少年が気になる。
魔界衆は術をやめた。
佐助は幸村に火が消えたと報告し倒れていた才蔵も火傷などしていないと気づく。
めちゃくちゃ楽しくてわくわくしてしまう~幸村先生の風貌がステキだ。
そして一番上の画像になる。
三人は早くも魔界衆の里へたどりついたのだ。
子供を助けた三人は魔界衆の里で歓迎を受ける。
幸村は単刀直入に「豊臣家再興のために魔界衆のお力を借りたいと探し続けました」と訴えるのだった。
しかし長は「我々はだれに支配されることもなくここで平和に暮らすのが先祖からの教えでござる」と言って幸村の訴えをきっぱりと断る。
が、その夜
この場面見てるだけでむずむずするのはなぜだ。他のマンガでこんな気持ちにはならないのに。
たぶんファンの人々は横山マンガを読むたびにむふふしてるはず。
佐助は「天下を制するもいとやすし」というご神体はどこにあるんですかね、と幸村に問う。幸村は「うむ、それじゃ」と答え「神体を祭ってあるような所は見当たらなかったのう」
佐助と才蔵はすぐさま探りを入れに外へ出る。(すばやいんだよなあ動きが)
もうこれでやられてしまうし。
ここにいたってはもだえ苦しんでしまう。(おかしいのは私だけなのか?)
白土三平は全然おかしくないのに横山光輝忍者はたまらなく笑う。
なぜ?なんなんだろうこの感情は???
もしかしたらもう『伊賀の影丸』も読める気がしてきた。
次に挑戦しよう。横山氏はこの楽しい忍者を開発したのか。
むむむ。
そうかもしれん。
才蔵は村はずれに洞穴を見つける。
ここから物語はさらに変な方向へと導かれていくのだ。
洞穴には人工的な階段があり才蔵はすぐに松明を作って暗闇の中へはいっていった。
かなり深いところまで降りていくとそこには
恐ろしいけどどこか滑稽な状況だ。
コトコトという音に気付く才蔵。なんとこの小さな泥人形が動き出したのだ。
小さな泥人形が才蔵に迫っていく。
気持ち悪くなった才蔵は松明を放り出して逃げ出す。とはいえ小さくて可愛い泥人形に怯えて逃げる才蔵がおかしくもあるのだが。
追ってくる泥人形。必死で逃げる才蔵。
と、かわいい泥人形がピュウと飛んだかと思うと鋭い頭を先にして才蔵の体を次々と刺し貫いたのだ!
翌朝早く戻ってこない才蔵を心配したふたりは探し始め村はずれの洞穴を見つけた。
しかしそこで村の長老たちに見とがめられる。
幸村は理由を話し洞穴前から続く足跡をつけると池で浮いている才蔵がいた。
惨たらしい死体に長老は「洞穴の守護神に襲われたのです」と説明した。
この横山氏独特の眉と目の描き方。
他でそんなに真似している気がしないけど凄くクールでカッコいいと思う。これを受け継がないのは勿体ない。鼻の付け根あたりも細かいタッチがあるのだよ。
あと首から体にかけても独特でここらが横山キャラの骨太な魅力なんだよ。
ただ筋肉を盛り上げて描くだけの表現とはまた違うんだ。これが横山キャラを男らしく感じさせている。
と突如絵柄考察した。
物語に戻って。
才蔵が殺され幸村と佐助はさらに魔界衆の力を知ることとなる。
洞穴の奥に秘密があると再度訪れたが今度は村の少年・兵馬に止められた。危険を教えてくれたのだ。だがその危険は長老しか避けられないという。
少年・兵馬は村から出たいと言い出す。「おれだけではなく若い者は一度でいいからと外を見たがっている」
この展開は当然とはいえ上手いなあ。
しかしここで兵馬は村に危険が近づいていると察知する。あの赤子が泣いているのだ。その声は佐助でさえ聞き取ることはできなかった。
村に怪しい侍が近づいていた。男は幸村たちの追っ手だったのだ。
魔界衆の若者平助は侍と対峙した。魔力を持つ魔界衆だが侍もまた術を心得ていた。首を落とされても平気で平助を切り捨てたのだ。
うんうん、まだ忍術対魔術の攻防と信じていたよ、ここまできても。
長老は平助を殺し引きずってきた首無し侍を倒すため村人たちの念力で岩を落としたが首無し侍には効かない。
少年・兵馬が「長老の教えを試してみる」と一対一で首無し侍と対峙した。
が兵馬はあっけなく首無し侍の腕に足をつかまれその腕を切り落としたものの腕は斬られたまま兵馬を放さなかった。
ここで長老はひとり皆から離れ家へ戻っていく。
これを佐助が追った。
こ、これはどうみても魔法少女アイテム!(サリーちゃん的な)
さらに長老はあの洞窟へと向かう。
魔法の杖を使って守護神の動きを封じ込めた。
するとその先には
長老は里の危険を伝えこの危機をのりきるために御神器の一つを使うことの許可を願った。この絵でもまだ「?」だったけど。
これで「あああ!!!」となり
でやっと目が覚めました。
SFだった。
遅い!わかってる!
だって忍術だってずっと思ってたんだもん。しくしく。
すごく良い読者なのではないか。私。
事件は解決した。里も私も。
わかってないのは幸村主従。しかたないけど。いきなり自分は違うぜという私よ(*´з`)
幸村は御神器の力を見せつけられますます彼らの力が欲しくなる。
ここで突然兵馬くんのセクシーカット。
なぜなに?
カットは置いといて。
兵馬は長老に「若者たちは皆外に出たがっている」と訴える。
長老は「やはり幸村一行を入れたことから掟が崩れ始めた」と悔やむがもう若者たちを抑えることはできなかった。
くじ引きで選ばれた五人が長老に連れられ洞窟の中のご神体の教えを授かることになる。
煙が吹き出されそれがスクリーンとなってご神体から映像が映し出された。
「遠い昔、ご先祖は星から星を旅なさっていた。新しい星の人々に知識を教え文明社会を築かせた。だが権力争いが始まりついにはその星を滅ぼしてしまうのだ。」
長老は精神的にまだ発達していない人に想像以上の力を与えるとその使い道をあやまってしまうのだ、と若者たちに諭した。
こうして魔界衆の里を出た若者たち。
その運命は如何に。
再度読むとますます面白さに気付ける。
これはおろそかに読んではならぬぞ。
すごくためになるお話じゃ。
2回目でキリをつけるつもりがまったくダメ。書き留めたいことがたくさんあって。