ガエル記

散策

「偽りの“神の手” 旧石器発掘ねつ造事件」 そして今も医学論文の捏造?

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NHK「アナザーストーリーズ」再放送視聴しました。

この事件についてはその報道自体が2000年だったこともあって記憶にありますし、その後にも見聞きしたりネット検索したこともあったくらいには興味を持った事件です。

 

この事件を知って最初に思うのは「確かに捏造した本人が悪いのだろうけど何故周囲の人々が早く止めることができなかったのだろうか」ということでしょう。

この事件はただ一度や何度かの捏造ではなく1970年半ばからおよそ25年もの長期にわたっていち個人が続けた捏造だったのです。

 

しかもこの番組で「F」と語られる本人は学者でもなく大学さえ行ってはいない素人の研究者なのにもかかわらず考古学学者たちは彼の発見を支持し続けたのでした。

特に彼の発見を認め後押しし続けた学者氏に対しては「むしろ彼のほうが捏造者なのではないか」とさえ思えてきます。

その時点までの日本の考古学が英語論文の発表もほとんどない国内だけで認知されているものだった、と言う説明でからくりが解る気もしました。

 

そしてここで思い出されるのがつい先日ヤフーニュースにもあった

「日本の医学論文の捏造が多すぎる」という記事です。

news.yahoo.co.jp

これは「一月万冊」で安冨教授が言われていたので気になって検索したネット記事ですが、聞かなければ私はまったく知らなかったはずですしテレビなどで報道されたのを見聞きしたことはありません。

これは「リトラクションウォッチ」(撤回監視)というアメリカの学術雑誌に掲載された論文撤回を報告・分析・議論するブログによるものですが、ここでも国外からの指摘がなければそのままだった、ということになるわけでしょうか。

 

しかし一般人にとっては「旧石器発掘捏造」と「医学研究不正・捏造」とどちらが問題なのか、とも思えてきます。

 

上のネット記事では最後に

 

諸外国にあるような、研究不正の調査を第三者的な立場で監督する機関の設立が、いよいよ求められているのではないか。

 

と締められていますが、なんとそれでは日本にはそうした機関がない、というわけなのですね。

「旧石器発掘捏造事件」でここまで反省しながらも現実にはなにも処置はされていない、ということなのでしょうか。

 

政治においてもまた学術においてもまた芸術においても捏造・コピペなどの不正は続き時にとんでもない事態となって爆発する事件は終わらないのかもしれません。

 

 

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