森茉莉「甘い蜜の部屋」は日本の文学において素晴らしい異端児だと思います。三島由紀夫氏はその世界を称賛されたそうですが、なんとなく普通のおじさんたちには理解できない世界だと思われます。
男性社会からは逸脱した才能から生まれたこの作品を埋もれさせてしまうのはあまりにも勿体ない。なんとか次の世代へと受け渡していきたいと願います。
森茉莉作品を映画化することもなかなか困難だと思われます。特に「甘い蜜の部屋」はそうだと思いますが、どうせできるならそのまま映像化したのではつまらない。
せめて60年後のモイラたちを映画化してほしいです。
もちろん大好きなパァパもやよも亡くなっていてモイラは浅嘉町の屋敷にずっと住んでいて(もしかしたらもう一度くらい結婚して家を出たけど戻ってきた)76歳ほどの年取った美少女になっている。相変わらず自由で我儘。ドゥミトゥリイは80歳を越えていますがこちらも結婚したこともあったかもしれないけどやはりモイラ様を忘れられず離縁して一緒に住んでいます。
パァパが残した遺産もごくわずかになりむしろドゥミトゥリイが働いてモイラを養っているかもしれないけど立場は昔のまま。
そこへピータァが時々訪ねてくる。彼もあまり裕福ではないが気取って威張っている。そして今ではモイラよりはきちんとした生活をしているノエミが心配して訪ねてくるがモイラはそんなノエミの心配を嘲笑う。
いくら貧しくてもモイラにはモイラの世界があり幸せなのだ、というお話。
凄く良いと思うのですが、映画化してくれませんかねえ。
主な出演者が70歳以上ばかりですが美形ぞろいです。