いやちょっととんでもないアニメを観ているのではないでしょうか。
昨今の日本製アニメに失望し続けていましたが本作のみで回収できるとさえ思っています。本作を作るために昨今幾つものアニメ試作をやってたと思えばいいのですから。
ネタバレしますのでご注意を。
そして本作はやはり『エヴァンゲリオン』を意識していますね。
『エヴァ』は少年の成長と意識を映像化し映像であるがゆえに様々な改変ができるし様々なバージョンが可能だと表現したものですが本作で夏目監督はさらにその表現を進化させているのではないでしょうか。
『エヴァ』での不満や疑問を「自分ならこうする」と自らアニメ化することで晴らしているように思えてきます。
そして今回は始まってまだ6話目ながらその真骨頂に至っています。
映画は監督の持つ想像世界を映し出したものです。本作は長良の視線で映し出された世界です。
『エヴァ』世界は碇シンジの脳の中の世界を映し出しただけの作品だと私は思っていますが本作もまた長良の脳の中の世界であるということなのでしょう。
そして世界を変え世界を創作できる能力を持つ長良によって世界は様々に変えていくことができるのです。
もちろんすべての人間が「長良」であるわけです。誰もが自分で世界を創っていくのですから。
長良の家が映し出され彼がなぜあれほど無気力なのかが少しわかった気がします。
傷ついた鳩に気づいても助ける気力助けたいという気持ちが持てなかった長良がどんどん変化していくのはやはり友達とのかかわりのためです。
一方より優れた才能を持っていると思えた朝風はあき先生に賛辞されながらも迷っています。
さて一区切りがついた6話目を経てこれからの行方が楽しみです。
今回謎の人物・校長先生が可視化されました。
どうやら彼はストレンジラブらしい。
というわけで明日はキューブリック『博士の異常な愛情』を観る予定です。