ガエル記

散策

歴史

『はだしのゲン』中沢啓治

初めて読みました。 なぜ今まで読んでいなかったのかというと絵が怖くて手に取れなかったからです。もちろん原爆を題材にしてその恐ろしさを描いた作品ということで怯えたのもあります。 それで生涯避けていたのですが近年になってネットで様々なエピソード…

『超傑作選 ナンシー関リターンズ』

実はナンシー関氏の名前は知っていたのですがご存命の時にはまったく読んでおらず亡くなってから少しずつ読んだような次第です。 というのは氏が書かれていた題材がTV業界のことがほとんどなのでその世界にまったく興味のなかった私には無縁のもの、と思い込…

『主戦場』ミキ・デザキ

いきなり『主戦場』の配信が表示され慌てて観てしまいました。 が観始めてすっかり時機を逸してしまった感が心に迫ってきたのは否めませんでした。 この配信もさらに遅れてはますます観客が離れてしまうことを恐れての判断なのでは、と考えます。勿論それは…

『犬王』湯浅政明

楽しみました。 ずっと観たいと思っていたものを今年初めての映画鑑賞にできて嬉しい限りです。 ネタバレしますのでご注意を。 湯浅監督作品は一度パッと見てすぐに理解できるものではないと思っていますが本作は最近観ていた他作品とのつながりも感じてなる…

『銀河英雄伝説』シーズン3エピソード29

このタイトルを見ればそれだけで動揺する人がいるでしょう。 気が弱くて画像はこれしか貼ることができませんでした。 ネタバレしますのでご注意を。 知っているのにどうしても泣いてしまいます。 活躍してくれるのが当たり前と思っていてそれを失ってしまう…

『オルフェウスの窓』池田理代子

本作が連載されていた頃、ちょうど愛蔵版の一巻あたりまで読んだきりになっていました。ネットでなんとなく見かけて急に読みたくなり購入爆読した次第です。 そもそも私はかつてより池田理代子マンガにはまった口ではなくてあの『ベルサイユのばら』も最近に…

『新・平家物語』溝口健二

退屈するかと思いきや案外面白く観てしまいました。 なんといっても冒頭の巷を俯瞰する長回しが圧巻なのですがそれだけではなく、というか全編で観られる家屋、風景、衣装、調度品そして立ち居振るまい言葉遣いを追っていくだけでも興味深い。 1955年・昭和3…

岡田斗司夫ゼミ#428「ホワイト社会を生き延びろ!〜『いいひと』戦略」

live.nicovideo.jp 久しぶりに岡田斗司夫ゼミをとりあげますがもちろんいつも見てというか聞いていました。(というか最近一年前の岡田ゼミに関する記事がいきなり爆アクセスされて驚いたことがあったのですが、いったいなぜだったのか) 普段の岡田さんの話…

『最後の決闘裁判』リドリー・スコット

2021年製作。 こんなに早くwowowで観られるとは。 絶対観たいという期待の鑑賞でしたが想像以上の作品でした。 とはいえ非常に複雑な構想を感じますので見逃している個所も多々あるような気がします。 しかしまずは最初の感想を書いてみます。 ネタバレしま…

『ソフィーの選択』アラン・J・パクラ

ずっと以前に観ていた、と思っていたのですが観始めても記憶が戻る感覚がなかったのでもしかしたらまったく観ていなかったのかもしれません。 なにかとよく引き合いにされる映画なので観たと思い込んでいたようです。 一度観たら忘れられない名作と謳われて…

『モダンボーイ』チョン・ジウ

この画像とてもステキだな。向かって右がパク・ヘイル。総督府に勤めるモダン・ボーイのイ・ヘミョン。左はキム・ナムギル演じる日高晋介。検事です。 日本植民地時代、京城(現・ソウル)が舞台。となればかつては大日本帝国軍の残虐非道とそれに対する恨と…

『スパイの妻』黒沢清

TV版は鑑賞後の劇場版です。 とはいえ違いはまったくわからず。続けて観ればわかるのかもです。 とりあえず内容は同じで色調などが違うということなのですが。 再鑑賞で感想はどうかなと思っていたのですがとても面白く感じました。 娯楽映画、というのはこ…

『わが命つきるとも』フレッド・ジンネマン

『A Man for All Seasons』というのが原題です。英語に堪能でない私には「全季節の男」ってなに?ってかんじです。この意味について書いてくださっているブログを見つけました。 eigo-kobako.blog.ss-blog.jp どんぴしゃこの映画についての記事でした。やは…

2021衆院選 変化したと感じました。

2021年衆議院選挙終わりました。 結果、かなり変化はあった、と感じました。 いつも大変動、を期待をしながら何も変わらないことにいら立つしかないし今回も相変わらずの自民党過半数でしかも維新が急激に拡大してしまったことは予想どおりとはいえ落胆して…

『ゴールデンカムイ』野田サトル 無料公開

tonarinoyj.jp tonarinoyj.jp となりのヤングジャンプで『ゴールデンカムイ』が最終章に突入する記念で全話公開が9月17日まで。 18巻まで購読していたのですが資金不足で買えずにいたのでこの際読ませていただくことにしました。 前半で話題になったグルメ冒…

『フィールド・オブ・ドリームス』フィル・アルデン・ロビンソン その2

もう少しだべってみます。 確かにヘンテコな映画でした。絶賛される一方でまったく面白くないとこきおろされてもいます。 私もあまりに人気があった記憶があるので捻くれて「くだらない映画と確認してみるか」と言う気持ちがどこかにあったのですが実際には…

『フィールド・オブ・ドリームス』フィル・アルデン・ロビンソン その1

『フィールド・オブ・ドリームス』がNHK・BSプレミアムで8月30日放送されるのですが急に観たくなってアマプラで先に観てみました。 とはいえ私は昔観てはいるし特段本作に思い入れがあるわけでもありません。例によって『SonnyBoy』につながりがあるような感…

「偽りの“神の手” 旧石器発掘ねつ造事件」 そして今も医学論文の捏造?

NHK「アナザーストーリーズ」再放送視聴しました。 この事件についてはその報道自体が2000年だったこともあって記憶にありますし、その後にも見聞きしたりネット検索したこともあったくらいには興味を持った事件です。 この事件を知って最初に思うのは「確か…

コール(呼びかけ)とレスポンシビリティ(責任)

www.youtube.com マル激トーク・オン・ディマンド 第1060回(2021年7月31日) 「罪」と「責任」の違いと韓国ドラマのすごさ ネタバレ全開の映画評論が面白く凄いのですが今回の宮台真司氏の解説は特に感激してしまったのでここに記録しておきたいと思います…

『ゼム』7話から10話最終まで鑑賞

とにかく最初から最後まで文字通り恐ろしいほど辛い物語が続きます。 ちらりとも助かるのではないか、どうにかなれるのではないかという気がしません。 黒人差別は特に過激なもの、と日本人が思うのは傲慢です。我が国の国民がいかに非情で惨たらしいことを…

「マクマーティン児童施設裁判〜」 そして「小山田圭吾事件」

1980年代のアメリカ伝説的裁判!児童の組織的性的虐待と悪魔崇拝の強要?しかし子どもの証言は矛盾だらけ。いったいなぜ?記憶とは?真実とは?混乱の裁判の結末は? という番組でした。 結果をウィキペディアから引用しようとしたら 全ての容疑について…

『ラストウォー1944 独ソ・フィンランド戦線』アンティ・ヨキネン その2

そしてこちらが『Kätilö』で検索して出てきた画像です。素晴らしいとまでは言い難いですがさすがに内容をイメージさせる仕上がりになっています。 日本版はこちら 大きく映っているのが上ポスターでロマンチックな横顔の彼です。そして右下隅の小さな女性が…

『メッセージ』ドゥニ・ヴィルヌーヴ その2

映画『メッセージ』で描かれるのは異星人との会話だけではなく主人公女性とその娘との対話でもあります。 以下ネタバレしますのでご注意を。 主人公と異星人の対話と娘との対話が挟み込まれる構造となるのが素晴らしい。 主人公女性と相棒となる男性は異星人…

『ゾディアック』デヴィッド・フィンチャー

フィンチャー『ゾディアック』が好きでどうしようもない。 冗長だとか実話のために解決しないままなのでがっくりする、とかいろいろ悪口も多く書かれてしまう本作ですが、私としては2時間40分どころかもっと長く観ていたいし世の中に解決することなんかある…

現在の性認識と源氏物語 その3

私が読んだ『源氏物語』は田辺聖子著『新源氏物語』(今風にいうと『シン・ゲンジモノガタリ』)です。なのでここで書いていることはそこからの引用・感想となります。 田辺聖子氏によればあくまでも「主人公である光源氏を魅力的な人物として描くこと」とさ…

現在の性認識と源氏物語 その1

news.yahoo.co.jp www.tokyo-np.co.jp 「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」 立憲民主党所属の一議員の発言からそれに対する賛否がネット上で巻き起こり一週間たってもまだ収まらない状態で…

『フルメタル・ジャケット』スタンリー・キューブリック

そして名作として名高い本作『フルメタル・ジャケット』です。 前半の鬼教官によるミリタリーケイデンス、奇妙なニックネーム、狂気に満ちた罵声、ゴーマー・パイルへの執拗なしごきと仲間からのいじめは軍隊ものの古典であり必読教科書として位置づけされて…

『これでいいのだ』赤塚不二夫自叙伝 その2

上の画像は読んではいない『おそ松くん』の拾い画像です。 当たり前ですがこうして見ると『おそ松さん』の可愛さは『おそ松くん』からちゃんと抽出されたものであるのが解ります。 何も知らなかった以前は赤塚不二夫氏がなぜ「六つ子」なんていう描くのが大…

『これでいいのだ』赤塚不二夫自叙伝 その1

実は赤塚マンガをまったく読まずに生きてきました。 もちろんとことんアニメ好きだったのでテレビアニメの『ひみつのアッコちゃん』をはじめ『もーれつア太郎』『天才バカボン』は観ています。さすがに初代『おそ松くん』は記憶にありません。 その私はほぼ…

大坂なおみ選手への感動

世界ランキング2位の大坂は30日、ローラン・ギャロスで開催されている全仏オープン1回戦で勝利したが、試合後の記者会見を予告どおり拒否したため1万5000ドルの罰金を科された。翌31日、大坂は大会を棄権すると表明。世界の主要なメディアとの会見の前にはい…