ガエル記

散策

『わるいやつら』野村芳太郎

以前だったら絶対観ない気持ち悪い映画なのですが野村監督シリーズで鑑賞しました。

のつもりだったのですが昭和の見本を描いたような映画として見ごたえありました。

 

情念と呼ぶのか不気味な男女の愛憎劇が今観ると不思議な感情に思えてなりません。男女のこうした情交は今存在するのでしょうか。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

若い頃はこういうおぞましい男女の情交話が気持ち悪くて観ることができませんでした。今でも好きなわけじゃないのですがむしろ今は無くなってしまったように思えて絶滅した何かを見るような気持ちで鑑賞しました。

 

事あるごとに煙草を咥えライターで火をつけ煙を吸い込む。

男は女と見れば尻や乳房を触りSEXを連想する。現在オヤジたちがセクハラをして顰蹙を買うのはこういう世界で育ったから仕方ないとも言えます。

口にするのは「金」のことばかりでそのために簡単に人を殺してしまう。

現在話題になる殺人事件とは大きく異なるようです。

 

医院を受け継いだものの医療にはまったくかかわらず次々と女性と関係を持って自堕落に生きている男を片岡孝雄が演じています。

この男の身勝手さ、傲慢さそして軽薄さ鑑賞価値はあります。