2001年製作。
考えてみたら私にとってデイヴィッド・リンチほど最初からずっと観続けてきた映画監督はいないのかもしれません。
そこまでマニアックに映画を追いかけている人間ではないのですが偶然リンチ作品は出世作となった『エレファントマン』からの『イレイザーヘッド』以降ずっと心酔しわからないながらも大好きで観てきたクリエイターなのです。
そしてそうした映画よりもさらに夢中で観たのはやはり『ツイン・ピークス』でした。
本作『マルホランド・ドライブ』はその『ツイン・ピークス』と世界が続いているような感覚があります。
難解と称されるリンチ作品ですが『マルホランドドライブ』はあちこちで考察がなされ解りやすい道案内が示されていますからここで再びそうした解析は省きますが簡単に言えば本作はある女優の夢物語、前半は理想後半は現実、というものでしょうか。
しかも謎解きのヒントがあちこちにちりばめられているのです。
ところで現在巷ではルッキングだとかハラスメントだとかの批判が喧しいのですがリンチ作品にはいかにも性的な美女やハラスメントが多く現れるのにもかかわらず彼がそうした批判をされることはないのはある意味奇妙でもあります。
しかしその答えはすでにわかっていてリンチ作品はそうした批判などとは違うベクトルに存在しているからなのでしょう。
もしそれが解らなければなにも判らないのだと思います。
リンチ作品を観るのは特別な楽しみです。
『ツイン・ピークス』のリターンが作られると聞いた時は「見るまで死ねない」と思いました。無事観ることはできました。素晴らしい作品でした。
今もまた何かあるのでは、と思うと死ねないし何度も再鑑賞しても面白いのでなかなか死ねません。