ガエル記

散策

『鉄人28号』横山光輝 その5

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

もうすっかり道に乗ったという感じで進んでいきます。

ちょいと飛んで「ブラック博士の巻」に入ります。

18巻84pから。

 

またもやたらイケメン青年が何者かに追われ逃げている場面から始まる。美女じゃなく美男なのが横山流だ。

この美青年は追われている途中で発砲され銃弾を受けても逃げ続け正太郎クンの家にたどり着き助けられるという展開になる。

正太郎クンは医者を呼んで手術を受けさせた上そのまま静養させるのだ。

昏睡状態の青年はうわごとで「ブラック博士、赤死館」と言う言葉だけを繰り返すのだった。

追っ手から再び奪われそうになるのをいったんは阻止するも結局奪われてしまう。

 

青年を奪ったのがブラック博士といって覆面をした男。

ブラック博士はふたりの男ジョーと辰五郎を手下として使っているのだが辰五郎から顔を見られ殺してしまう。

残されたジョーは新しい相棒を連れてくるが辰五郎が何も告げずどこかへ行ってしまったことが気になって仕方ない。

なにもこんなにベッドをくっつけて寝なくてもいいと思うんだが。

 

実はブラック博士とその息子は家系にまつわる難病があり年を取るにつれ体が崩れてしまうのだ。しかも息子の方がもっと病状が悪いという。

そこでブラック博士は息子の体格や血液も似ているその青年の体に息子の脳を移植しようと考えていたのだった。

(果たしてそれは家系を存続することになるのだろうか?家系って血筋ってことだから体が入れ替わったら血筋は途絶えるんじゃ?)

 

ブラック博士が自室にこもっている間にジョーは新しい相棒と辰五郎の行方を調べようと家探しする。そして辰五郎の死体を発見するのだ。

やはりそういう関係だったのか。

 

ジョーが辰五郎を発見したのを見てブラック博士はジョーと新しい相棒も殺してしまう。そこに乗り込んできていた正太郎クン、大塚署長と警官はブラック博士を逮捕しようと銃撃戦になる。正太郎クンの的確な銃弾はブラック博士の腕に命中。博士はこの腕では手術ができないと考え家に火をつけて息子とともに焼死する覚悟を決める。

捕らわれた青年は麻酔をかけられていただけだった。

署長が青年を背負って逃げるが正太郎クンは博士たちの姿を見つけ後を追う。

それは醜い姿を現したブラック父子だった。ブラック博士は「生きて醜い顔を人前にさらすよりこのまま焼け死んだ方がどれほど幸福か」と言って焼け崩れる屋敷の下敷きになった。

 

うーむ。前のケリーの時も「醜い姿をさらしたくない」という設定だった。時代的なものもあるかもしれないが現在の価値観ではそれで焼け死ぬ方が幸福、というのに納得するのは納得いかない。

横山氏の美形好みはこうした話からも判る。

 

鉄人の手に乗って飛ぶ、というのはみんなの夢だったのではないだろうか。

降りる時もいい感じ。