これって母親を見捨てる冷酷非情な女、という演出なのかもしれませんがこれほどむかむかする毒親こうなって当然と私は思ってしまいます。
ネタバレしますのでご注意を。
この母親の登場で炩妃=衛嬿婉のキャラクターに共感ができます。
多くの物語のヒロインで頻繁に設定される「貧しい少女だったが持ち前と知恵と勇気で上り詰めていく」というものがあります。
本作の衛嬿婉がまさにそれですが主人公でないためか貧しい生まれ育ちの弱点が露わになっています。
衛嬿婉は知恵と勇気そして美貌は持っていますがどうしても「幼い頃から仕込まれた教養」だけは如何ともしがたい。そして親兄弟の粗暴さ無教養をどうすることもできません。
視聴者の方々も衛嬿婉には「浮いてる」と反感を持つ人が多いようですが他の妃たちはさすがに皆それなりの家柄の方々です。侍女だった阿箬ですら父親の活躍を観てもある程度の家だったのです。
衛嬿婉はまったくのド庶民。しかも母親は息子ばかりを可愛がる毒親で歪んだ価値観を持っていても仕方ない。男の愛情だけが自分を守ってくれる、と信じているのが衛嬿婉です。
この人格は悲しい。
これまで母親から子供を取り上げてしまうのは惨い、と書いてきましたが衛嬿婉から公主(娘)を取り上げて穎妃に育てさせるのは良かったのではないかとさえ思ってしまいます。
衛嬿婉は知恵はあるかもですがとにかく無知無教養。
無知は恐ろしいのです。
そしてこのパートでは如懿の才覚が再び煌めいて楽しかった。
やはり如懿は「攻撃は最大の防御なり」を実行している時に痺れます。
海蘭と二人並んで歩いている場面は現代のバディ刑事もののようでしたw
炩妃は再び衛答応に降格されしかもお付きの宦官が拷問を受け取り調べられる。
危機を察した衛嬿婉はとっさに皇帝の長女のひとり息子を助けるという荒業に出る。恩を感じた和敬公主は義母・如懿への反感もあって衛答応を助けるよう父・皇帝を促す。
和敬公主は皇帝にとって最も可愛い娘でもあり遠地へ嫁がせ不幸にしたという意識も手伝う。しかも孫の命を救ったという衛答応に攻撃は鈍る。
運もある。