ガエル記

散策

『如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜』22

75話まで鑑賞。

長い道のりかなり来ました。

 

重苦しいパートです。

 

寒部から来た寒香見の美しさ気高さに魂を奪われ前例のない特別な寵愛を向ける皇帝。香見が皇帝の愛情と権力に気づくようイスラムの寺院と住居を建立し寒部の弱き人たちを呼び寄せて都に住まわせたうえ自ら寒部の衣装まで着用して靡かせようとする。

それでも折れぬ香見に皇帝は皇后・如懿に「彼女を説得するよう」頼み込む。

皇后としては務めを果たしても妻として虚しさを感じながら如懿は香見に話しかける。

香見は心は今も愛する許婚と共にある、と言う。如懿はその一途さにかつての青桜と弘歴を見た。

ついに夜伽を果たしたものの香見は如懿に「不妊の薬」を求める。折しも皇太后も同じことを考え如懿にその薬を託した。

(この部分、皇太后は別の人に託せば良かっただけなのでは、と思う)(しかしまあ、そういうこともあるかもね)

香見が不妊薬を飲んだことで皇帝の寵愛は途絶える。

 

物語の流れとしてなのかもしれないけど、憑き物が落ちたような皇帝の態度はおもしろい。やはり「子供を作る」ことが皇帝の使命だから不妊になったという事実を知らされるとやる気が(失礼)起きなくなるのかもしれない。自分が飲ませていた時は平気なのに。

 

が、不妊薬を香見に飲ませたのが皇后・如懿だったと知って皇帝は激怒し彼女を平手打ちする。

それを見た皇太后が止めに入り押しとどめたが皇帝の怒りは収まらず如懿を遠ざけ炩妃に後宮を取り仕切るように命ずる。

 

これによって炩妃の寵愛と権威が復活以上のものとなっていく。

 

皇帝と如懿のやり取りは普通の夫婦の問題とまったく同じなのです。

互いが自尊心を傷つけられ「なぜ優しくしてくれないのだ?」と不満を持ってしまう。傍から見ると少しだけ引いてみれば、というだけのことなのですが。

 

そこへ行くと炩妃の思いは皇帝への愛情ではなく権力願望なので折れたり引いたりするのは何の問題でもない。目標は愛情ではなく権威であればなんでもできてしまう。

だから如懿も目的が別のところにあればよかったのでしょうけど。

物語はさらに嫌な方向へ行きそうです。

 

凌雲徹、悲しい男である。