ガエル記

散策

『散歩する侵略者』黒沢清

f:id:gaerial:20200116062302j:plain

今になってやっと観ました。私現在録画ダビング映画集中鑑賞週間になっています。

 

2017年公開なのですね。この映画を知らないでいたので今までずっと「日本映画はどうしてもSFを作れない」と思っていたのですが、これは素晴らしいSFでした。

 

SF、というとどうしてもアメリカ製作品の真似をしたがってしまうものでハイクオリティのCGを駆使した宇宙もの未来ものを作らねばならないと思い込んでいるようですがこうした形式でいろいろなSFを作ることはできる、という良い見本になれる気がします。

  

この映画自体はマジで言えばそこまで「すげえこと考えついたな!」というほどまではなくマンガなどではよくあるアイディアのようにも思えるのですが日本の実写映画でここまで本格的にSFとして作り上げたものはなかったのではないでしょうか。特に長澤まさみ松田龍平長谷川博己といった俳優陣を使うことで魅力のある映像になっているのは間違いないと思えます。

知らない俳優たちでも面白い、という映画もありますがこの映画ではこうした演技力のある有名俳優だからこそのポイントは必要でしたでしょう。

かつては、もしかしたらもっとちゃちな感じでのこのような映画もあったのではとも思いますが。

 

繰り返し思いますが、こうしたSF映画が日本でももっと作られることを期待します。

すぐに描けてしまうマンガ小説と違い実写でここまで作り上げるのは大変なことではあるでしょうがよく考え抜かれたSFほど楽しいものはありません。本格的な俳優によって映画作品となるのは素晴らしいことです。

 

ただしゾンビものはSFには数えません私は。

よほど特別に面白いものでなければ。

 

ぱねえ、とまでは言えませんが、様々な可能性を感じさせてくれる映画でした。上質なSF作品だと思います。