理論を超えた最高で最悪のバンド!? Shaggs【The Dave Fromm Show 陰謀コーナー ベスト・セレクション】
昨日デイブ&アリもう出てこないみたい、と書いたのですが案外ぽろっと出てきました。
しかもかなり深いヤツです。
タイトルが「理論を超えた最高で最悪のバンド!?」となっています。これはいったいオカルトなのか陰謀なのか。
結論を言えばオカルトでも陰謀でもないのですがひとつの奇跡と言えるのでしょう。
アリさんの説明はやはり本人がミュージシャンであるからこその真摯なものと思いました。音楽を愛し音楽で生活している人だからこその驚きも感じました。
さてアリさんにそんな感動を与えたThe Shaggsとはどんなバンドなのでしょうか。
The Shaggs ~ Philosophy of the World (full album 1969)
わお!
このジャケットを見ただけでもかなり衝撃です。説明からして当時彼女たちはティーンエイジャー(16・7歳ほど?)だと思うのですが60年代の田舎町育ちとはいえこのルックス、このファッション?では歌声が美しく・・・はないのですねこれが。
しかし今現在では彼女たちの存在は貴重なものなのではないでしょうか。
エンタメ業界というのは何もかも虚構というのが常識です。金儲けのために何もかもが人工的に作られます。人々が求める容姿を持つ素材を見つけ更に加工し(整形・化粧・受けるファッション)作詞作曲はゴーストライターであることはしばしば、しかも別人が歌っていたりもします。仲良しバンドという触れ込みも実は寄せ集めで、家族というのも嘘だったりするわけです。
しかし彼女たちバンドは怖ろしいほど真実なわけです。本物の家族で家族だけで歌の訓練をして愚直に作詞作曲し、娘たちはお世辞にも美人でもチャーミングでもなく聞き惚れるような歌唱力もなく演奏はブザマ。どうしてこれで「いける!」と思えたのかが謎なのですが予言を信じたというのは確かにオカルトです。
正直、アリさんの説明を聞かなければ私は絶対「これは・・・良いのかも」とすら思えなかったでしょう。
アリさんの講義を聞いてやっと納得し、さらに日本語訳してくれた歌詞を聞いてはっとしました。
「何を言おうと何をしようとも必ず真逆を指摘してくる人たちがいる ベストを尽くしてみんなを満たそうとするけど落ち着くことなんかないんだ この世の中では誰の事も満たすことなんかできない」
この歌詞はまさに今人々が苦しんでいることそのものではないでしょうか。
当時10代の少女だった彼女たち、厳格で怖かった父親に追い立てられてバンドをやっても下手だ、可愛くない、と叩かれ続けていたであろう彼女たちの言葉です。
それにしても不思議な物語でもあります。
厳格な父親に恐怖の特訓生活を強いられている箇所などはまるで『巨人の星』の星一徹と飛雄馬を思い起こさせるど根性ドラマのようです。
先日岡田斗司夫さんが「日本のスポ根ドラマはアメリカのエンタメドラマ」と言っていたのですがまさしくこの物語はそれですね。
しかしおばあちゃんの予言を信じて(信じてたのは父親だけみたいですが)一家全員で姉妹を世界一のバンドにするために懸命に活動していく様子はほろ苦く微笑ましくもあり滑稽にも思えるしやはり恐ろしくも感じます。
良かったのは(まことに失礼ですが)お父様が早めに他界されたことで一家が解放されたことでしょう。
詳細な話はわからないので一家の方々、母親、男兄弟、そして当人たちが父親に対してそして自分たちの活動に対してどのような考えや感想を持っていたのかは知ることができないのですがこのままエンタメ業界で活躍するのは困難だったはずですしたぶんですが早めにやめることができてよかったのではないでしょうか。それとも別の感情もあったのでしょうか。知りたくもあります。
それでもアリさんの言うとおり彼女たちはおばあちゃんの予言通り「世界一凄いバンド」になれたのです。
60年の月日を隔ててなお聞く人達に感銘を与えるポップスというのはそうはないものです。多くはその時だけで忘れ去られてしまうものなのですから。
それにしてもデイブさんが珍しいほど大笑いしていてこちらもつられて笑ってしまいました。
話題の「ハロウィーン」です。
いやほんとうに世界は不思議で満ちています。