#ラブタイツというタグをつけてタイツメーカーの「ATSUGI」が打ち出したキャンペーンは「タイツをはいた女性のイラストとのコラボ」という形で話題を集めようとしたものでしたがそのイラストを見たフェミニストの間で「女性向けの商品を何故男性目線の広告にするのか」「またもや女性性の差別をするのは信じられない」「いつまで女性性を消費していくのか」と炎上することになってしまいました。
私自身、ここに挙げられていたイラストの描き方が自分の好みではないものでそうした抗議に同意していたのですが今朝になって一つのツイートに目が留まり考えを反転させなければならなくなりました。
といってもずっとフォローしている津原泰水氏のツイートだったのですが。
アツギのあれは女性向けとしか思わなかった。前も書いたが「男性はこういうの好きでしょ」というのはかなり誤解で、しかも時代が時代だから、僕の知る範囲でああいう平成初期タッチの架空少女アートをやっている人、愛好している人は、女性しか残っていない。アツギは尖り過ぎてたんじゃないかなあ?
— 津原泰水 (@tsuharayasumi) 2020年11月3日
これは私はまったく知らない世界でした。
何もかも世間知らずになってしまっているうえに特にイラスト界には疎くなっています。こうしたイラストがもはや平成初期イラストで今や女性しか描いていない、ということなど思いもよらないものだったのでした。(私は女性ですが)
そのあとに続く津原氏のツイートはさらに
プロデュースが十全じゃなかったのか、絵描きさんが応じきれなかったのか……まあ経験不足ということなんだと思います。しかし手痛い失敗を経験しなかったら、第一線の人達のような、エロティシズムを感じさせつつ予防線を張り巡らせる芸当は身につきませんから、めげずに頑張って頂きたいと思います。
— 津原泰水 (@tsuharayasumi) 2020年11月3日
なるほど、と唸るばかりでしたが・・・しかしすでに過ぎ去った平成初期タッチのイラストを今から持ち出していくというスタイルは広告業界としてはどうなのでしょうか。
一つ一つ引っ張ってくるのは無理ですが炎上の原因の一つは抗議の反論(たぶんそれは男性たちですが)が「またフェミがうるさく騒ぎ出した。ひっこめ」というものが多かったせいでもあるでしょう。それにまた抗議していくので大騒動になってしまうのです。
最初から津原氏のような情報が多く出回っていたのなら状況は違っていただろうにと思うと残念ですがそれでも商品の広告というものは特別な知識がなければ理解できない、というのでは商業広告としての本来の目的が達成できていないことになります。
そしてさらに見つけたのが次の記事でした。
こちらは初めて知った丹羽埴輪氏の考察ですがとても慎重で丁寧にわかりやすく思考を導いてくれる文章でした。
ここに来てやっと平成初期イラストが女性絵師のものである本質が見えてきました。
確かにエロ女性イラストは男性目線のものだけでなくレズビアンやエロかわいい女性のイラストが好きな女オタクの存在も考えねばならないのでしょう。
丹羽埴輪氏が書かれているようにそうしたことを踏まえそのうえで考え抗議していかねばならないと思います。
「そうかーそういうことなら抗議しちゃいけないな」
ではないのです。
こうした女性イラストレーターのイラストは「女性が描いているのならいいや」ではないからです。
次回にそれを書いてみます。