ガエル記

散策

『水滸伝』第七部(完結編)まで 横山光輝 

はい、第七部(完結編)まで読了。

第八部は番外編のようです。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

なるほどなるほど、と読み終わりました。

腐りきった社会。力なき皇帝を良いことに金儲けと遊興にふける政治家たちのために人々は塗炭の苦しみを味わう。

そしてさまざまな理由で行き場を失った男たちが集まったのが梁山泊だった。最初はただの山賊集団だったのが晁蓋を統領にしてから義侠心に厚い壮士たちの軍団になっていく。

 

とはいえ主人公は宋江と言われるものの読んでいると林冲・呉学人・鉄牛の活躍の方が印象に残る。

と、この三人後に林冲劉備、呉学人は孔明、鉄牛は張飛になるのではないかと思われる。

特に鉄牛がやたら活躍してしまうのは横山先生『三国志』でも張飛が一番のお気に入りであるのからも察せられる。

個人的には盧俊義と燕青のエピソードがツボだった。

 

 

というか私にとって『水滸伝』といえば林冲なのである。

台湾映画『夜奔』の中に登場する林冲夜奔の場面は忘れられない。

なので横山先生が林冲を一番かっこよく劉備を思わせる重要さで描いてくれていたのがとても嬉しいのだ。

 

さて七巻では梁山泊軍はついに政府に認められ国の軍隊として命を懸けて帰国と戦うまでになる。

そして皇帝から罪を許されただけでなく高い地位と褒美を与えられる。だがその場面はあっさり簡略化された。横山光輝氏の描きたいのはあくまでも男たちの熱い心がつながっていく過程にあるからだろう。

 

鉄牛は張飛とは違って最後まで登場するのも嬉しいところ。

 

とにかく気になっていた『水滸伝』を読み終え満足だった。次はもちろん8巻の外伝編を読む予定。