『OVERMANキングゲイナー』再鑑賞終わりました。
一度目に観た時より面白く感じました。富野世界のごちゃごちゃ感が私は大好きなのでそこらへんは文句なしに楽しめたわけです。
それなのに何故一度目「より」楽しめた、という書き方になるかというとたぶん一度目は設定がよく掴めないまま観終わってしまったのが二度目で理解してきたためにごちゃごちゃ感もより実感できたのではないかと思うのです。
私にとっては名作と記したい作品になりました。
しかし残念だなあ、と思う部分もあります。それはやはり一度でわかるような説明が乏しい部分でそこが魅力でもあるのですが、もしかしたら説明自体が楽しいものになったかもしれない、という思いなのです。
本作は「移動都市」という設定で物語が構築されていくのですが富野作品の持ち味ですがその設定がセリフやナレーションで説明されないのですよね。
この「移動都市」という設定、「大勢の人々が住む都市そのものが移動していく」という発想・設定は凄く面白いのにそれを前面に出して難しい言葉や理解できないシステムが出たらというかそういうものを出しては毎回「説明しよう!」というようなキャラが出て来て(あのリーゼントくんあたりでもいいと思うのですが)どういう状況なのかを説明してくれると判りやすかったと思うのです。
(しかし移動都市というか大勢を収容したまま移動していく、という発想はファースト『ガンダム』から富野お気に入りの設定なのですね)
映画でも『移動都市/モータル・エンジン』という作品が制作され公開されていますね。私は未見です。レビュー見るとかなり低評価のようですが気になります。
キングゲイナーの世界観・ドームポリス・ウルグスク、楽し気に作られているのでうっかり気づかないのですが実際は世界の終末を予感させるディストピアではあるのですよね。
こういうディス世界観の日本アニメは多々ありますがやはり富野作品は別格の面白さです。
移動都市という基本設定だけでなく「オーバーマン」という特殊なロボットものというのが加わること、そしていつもはあまり好きでない日本定番の学園ものという要素もこの作品では良い味付けのひとつになっていると思えます。
ストレートな恋愛要素、ひ弱ゲーム男ゲイナーと筋肉武闘男ゲインという普通なら相容れないようなタイプの男ふたりの友情、そして日本アニメなのに日本文化を小馬鹿にしたような面白パロディなども見どころですね。未来ほんとうにこうなりそう。
設定を判りやすくした映画化望みたいものです。