この画像を観ておおいに期待したのです。なんともかっこいいではありませんか。重く暗いスチームパンク作品を想像しました。
いや確かにそういう世界を目指して作られたものであろうとは思いますが、全体に重さも暗さも物足りないし、面白くなりそうなのを徹底できなかった感がありすぎて残念としか言いようがありません。
まずヒロインのへスターはなかなか魅力的で良いのですが男のほうに引き寄せられない。俳優本人が悪いというよりキャラクター造形が弱いのだと思います。
スチームパンク世界なのだから主人公男にももっとスチームらしい髪型や衣装でイメージを作るべきだし、すべてのキャラクターにそれがいえます。
なんといっても移動都市という発想が面白くてめちゃくちゃ心をつかんできたのにそれがまったく活かされておらず、というかすべてがすべてが中途半端に物足りなく面白くなりそうなのに突っ込み切れないでいるのが悔しいほどです。
例えばお尋ね者東洋女性がかっこいい登場なのに現在のサングラスっていうセンスがガックリなのですよ。もちろん一か所今風で笑わせるテクニックみたいなものはあるけどこれは浮き過ぎて物悲しいでしょう。
もっとごっついサングラスにして欲しかった。このキャラもすっごくいかしているのになにもかも残念すぎます。
韓国系女優さんをもっと魅せて欲しかったなあ。
監督のクリスチャン・リヴァース氏の経歴を見ると数多くの視覚効果などを担当してきたスタッフだったのがこの作品で初めての監督業ということで致し方ないのかもしれませんが元ネタが良いだけに口惜しさの方が先に立ちます。
いえばへスターの傷ももっと酷いほうが良いとは思うんですけどね。
傷も物足りないんですよねえ。もっとうわっとなりたかった。
でも・・・
このビジュアルを見せたいだけで作った映画なんだろうなとは思います。かっこいいからね。
それにしても
こやつが一番がっかり感。
いやもう一度言うけどこの俳優でもいいからもっと作りこんで欲しかった。
作りこみがスチームパンクの醍醐味でしょう。
『鉄コン筋クリート』くらいして欲しいよね。
こういうビジュアルが必要なんすよ。
松本大洋さんにデザイン頼むべきでした。