アマプラで何気なく選んだらソル・ギョング主演だったのでそのまま鑑賞しました。
この映画は創作映画として評価されるものではなく実際に起きた出来事を扱った記録映画として分類されるという判断でいいのではないでしょうか。
ソル・ギョングは本作の6年後『ソウォン/願い』でも実話映画に出演しています。
どちらも子供に関わる犯罪の映画でソル・ギョングの心の在り方を感じさせます。
ネタバレしますのでご注意を。
つまり一般の創作映画としてならもっと面白さを追求したものになるはずですが(特に韓国映画は)実話だからこそできるだけ平易であるよう心掛けて製作されている、という工夫でもあると思われます。
映画の形として実際の事件を記録しておきたいという意思があるのだと本作を観て改めて感じました。というのは他にも実話映画は数多くあるのにこれを観てそう思ったのです。
実話をもとにした創作映画、ではなく実話記録映画、なのではないのかということです。
もちろんこれは私の勝手な思い込みです。
『ソウォン』もあったからかもしれません。
ひとり息子を誘拐された夫婦の心情の移り変わりを演じたソル・ギョング、キム・ナムジュの演技で見入ってしまいました。
このふたりの舞台劇を観ているようでもあります。
子供を失うのではないかという慟哭に母親が自分の胸を打ちつける場面は痛々しいものでした。
ニュースキャスターである父親は傲慢でもあるのですがその男性が人目もはばからず動揺して走り回り泣き出す場面も辛いものです。
その結末はあまりにも惨たらしい。
しかしこの悲しみを残しておかねばならないという気概を感じました。
決して面白い映画ではありません。
それだけに観る価値はあります。