ガエル記

散策

『機動戦士ガンダムΖΖ』その8

 


機動戦士ガンダムZZ』全話鑑賞完了。

この調子で行けば確かに『ガンダム』は永久に続けられそうです。なにせ人間たちは未だにニュータイプでもなければ戦争もやめようとはしていないからですね。

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

なんといってもリィナが助かっていたのは心底ほっとしました。しかも助けたのがセイラさんだったという仕組みはなかなかです。

 

ZZ「見なくてよい」「黒歴史」と聞いていたのですがそんなことはないと思います。

ただ描かれた内容が戦争の視点でいえばⅠⅡの繰り返しで新しい何かはほとんどなかったのは確かです。

とはいえ権力の無い子どもたち特にZZでは貧しく身寄りもない子どもたち(戦災孤児と言っていい)が自ら戦争に関わって様々な経験を乗り越え成長していく、という形がはきりと表現されました。

私としてはZのラストで(大好きな)カミーユが精神を破壊され廃人になったと見えたのがZZでファの献身的な介護で蘇ったと思えたのがなにより嬉しかったです。

Ⅰの主人公とヒロインたるアムロとフラウは別れるしかなかったのがZのふたりはZZでは結ばれ(と言えましょう)ZZでは兄妹という形で描かれ死別したかという悲しみを払拭して再会しⅠⅡの主人公が一時期廃人になるのにZZでは新たなる道を自ら歩み始めたという意味合いで見ればファースト・Z・ZZはまったく違う物語になっています。

 

どうしてもファースト世代はファーストから離れきれないのですが私としてはこの初期3作品で選ぶならやっぱり『Z』が好きです。(リアルでは観ずずっと後で観たんですが)

『ZZ』の良さは「明るさ」ですね。

しかしその裏で結局「プル」シリーズの女の子たちが死んでしまうしショックなのはジュドーはほとんど彼女たちの死を気にしてないかのように描かれてしまったことでしょうか。

それは今放送中の『水星の魔女』でも描かれていることです。

大人たちはいろいろな言い訳を考えて子どもたちを自分たちの都合のいいように改良していきます。「世界のため」「平和のため」「幸福のため」と。

ZZで最後プルツーが気を失ったけどその生死は?という疑問が出たようですが私は死んだのだと思います。

しかも誰もその死を悼んでいない。それだけの存在でしかないのです。

 

だけどプルシリーズはその後も作られていくわけですね。

残酷です。

 

 

配信メディアが少なくてかなり迷いましたが結果観てよかったです。

作品のクオリティとしても悪くなかった。

ただただ戦争は繰り返され人はあっけなく死ぬ。

何が何でも生きぬいていくしかない、ってことです。

死んでしまえばそれまでだし生きていればなんでもできるわけです。

 

ところでハマーンについては・・・可哀そうな人だなと思います。