鑑賞完了しました。
良いなあこの世界観。もっと観ていたかったです。
惜しむらくはやはり長さというか作品回数が圧倒的に足りない。この倍あってもよさそうです。
設定説明も足りないしオーバーマン説明も足りないし主旨も解り難い。
結局はいつもの富野主張。
「馬鹿な大人たちの愚かな行為で子どもたちは苦しむ」ということでしょう。
今回はその子どもの代表である主人公ゲイナーをゲームオタクとして登場させ最初は大人たちの望む戦いに参加したものの途中(というか最後だけど)で迷いが生まれ闇に取り込まれてしまう。
そこから救ってくれたのは人生の先輩と言える男性ゲインの呼びかける声だった。
本作は前回観た『機動戦士ガンダムZZ』に続くものを感じます。
それは富野氏の『ZZ』に対しての贖罪と言ってもいいのではないでしょうか。
『ZZ』で最も可哀そうだったのはプルとプルツーです。
彼女(たち)はジュドーに愛される妹リィナに嫉妬しその代わりとなりたいと願うも微塵もかなわず兄弟は再会して愛を育みプルたちは死んでしまいました。
本作でプルにあたるのがシンシアでまたもや死へと進みます。ジュドーとリィナにあたるのはゲイナーとサラという恋人同士でやはりシンシアはその間に入り込みます。
ここでも『ZZ』で言われた言葉が繰り返されます。
「ぼくたちはふたりで君を愛しているんだよ」
『ZZ』ではその言葉は虚しく実りませんでしたが本作では無事シンシアはゲイナーとサラの間に挟まって新しい旅路が始まります。
富野作品は繰り返しこの関係性が描かれていると思えます。
例えばシャアとアムロとララァの3人の関係も同じです。そしてこれまでは必ずララァにあたる存在が死んでしまう運命でした。
『Z』ではカミーユとファとフォウということになりますね。
この関係性が富野氏は非常に興味があったのでしょう。確かに「どうなるのか?」という緊張感が生じてはらはらします。特にプルは殺意さえ持っていたと思えます。
しかし本作でその関係性は明確に協調を迎えました。あの後もサラの明快な性格なら上手くやっていける感満載です。
そしてその後の作品である『Gレコ』ではベルリとノレドにララミアとなりますがここにいたってはほとんどララミアがふたりの邪魔をする感じがなくなってむしろノレドがララミアの世話をしていたのではなかったでしょうか。
さて本作。
ストーリーがよくわからん感じは否めないのですがその辺はいたって現代風とも思えるしそこはどうでもいいのかもしれません。
であれば残念なのはこの作品がwowow放送だったということでしょうか。
私は結局ネット配信で観たので関係はないのですがとにかく多くの人が観られる機会があればなあと思うばかりです。