三巻末尾から始まる第二部がまたおもしろいのですよ。ヨミ復活。
昨日書いた『バビル2世』=「ギルガメシュ叙事詩」説は自分としてはかなり気に入っています。
普通の作家ならばロマンチックにギルガメシュとエンキドゥの友愛を描くところですがクールに突き放してしまうのが横山光輝物語なのではないかと納得してしまいました。
そして二人(ギルエンならぬヨミバビ)の戦いの箇所をじっくりと書いていくのが醍醐味なのです。
ネタバレしますのでご注意を。
国家保安局局長と副局長が再登場することで物語にリアリティが加わる。
二部最初に登場する霊媒者、冷徹な殺し屋、そして訓練を積む能力者たちも横山マンガに必須の面々だ。
余談ながらこの訓練場面、萩尾望都『スター・レッド』でセイが子どもたちの超能力訓練に加わるエピソードを思い起こさせる。
そしてロビンソン&陳の不思議な連係プレー。
これはいったいなんなんんだろう????
どーゆーこと????
絶対わからん。
わからんすぎてロビンソンいただいてしまいました。
ここからのヨミ超能力者部隊バベルの塔侵入作戦はめちゃくちゃおもしろい。たぶん多くの少年マンガの参考になっているのがわかる。
この4巻巻末の引きの強さよ。
この男ダックはバベルの塔内をさまよいついにバビル2世が手術後に眠っている睡眠カプセルを見つけ出す。
ここの場面がレッド・セイとそっくりだと感じてしまう。
これはたぶん真似したとかじゃなくて萩尾望都氏の脳裏に刷り込まれていたのではないかと想像する。
そしてレッド・セイは私の脳裏に刷り込まれていた。
ここでバビル2世は超能力が無限に使えるものではないと気づく。
超能力を使うことは自分自身の命と引き換えなのだ。
こうした「支払い」は単に「等価交換」と言うもの以上に感じる。
バビル2世はヨミの基地に入り込み立ちふさがる敵と戦い続ける。ヨミはその姿をカメラで追いながらほくそ笑む。超能力を使わせバビル2世を消耗させてしまうのだ。
ここでポセイドンが現れ疲労したバビル2世を掌に乗せてバランと戦う。
巨大ロボットの手に乗った少年という横山マンガの必殺武器、これ以上のものはない。
エロチックすぎる。
皆の憧れ巨大ロボと少年。
そして仲良しヨミチーム。
みんなヨミ様だけが頼りなのだ。
しかしこのことからヨミは恐ろしい手段を取らざるを得なくなる。
この手段によってポセイドンはバビル2世を握りつぶそうとしてしまうのだ。
あやうく逃れたバビル2世だが以前に同じことがあったのを思い出す。
ヨミが超能力で三つのしもべに命令を下していたのだ。
それが今もっと怖ろしい状態で行われ始めた。
超能力が増幅される機器によってヨミの命令がより強大なものとなったのだ。
続く。