この映画の情報やレビューなどを見ようと思って検索しても自分自身の過去ブログが先だって出てきてしまいどうも悲しいです。もっと皆さんこの素晴らしい映画を観ようではありませんか。
ちなみに私が持っているDVDは2002年に買ったものですが、今amazon見るとデジタルリマスター版がなんと1101円で出ているのでこれも買った方が良いのか?
ネタバレになります。
これは1987年香港が舞台となっています。
当時の香港を知る人にとってこの映画はどんなふうに受け止められているのでしょうか。とても知りたく思います。勿論私はその時日本から離れることなく住んでいて24歳だったわけですが。それを思い起こしてみるとやや日本の一般的なイメージよりは革新的には思えないでしょうか。とはいえコンビニやポケベルが登場します。
さて本作は美しくも妖しいゴーストストーリーであります。
1987年香港、新聞社に勤める恋人同士の若い男女の前に50年前に心中自殺をしたという美しい幽霊が現れます。
美しいチャイナドレスをまとった彼女・ユーファーはかつて華やかな遊郭で人気の娼妓だったのですが、ある商家の跡継ぎ息子チャンと恋に落ちます。当然のことながら恋は許されず、ふたりは心中を図りユーファーはあの世でチャンを待ち続けたのですが今まで会えなかったというのです。
ユーファーは現世にもどってチャンを探そうと新聞社に尋ね人広告を出そうとして現代の恋人同士に出会ったのでした。
1980年代の恋人たちから見ても更に50年前のユーファーのチャンへの恋心は最初奇怪なものと感じられてしまうのですがその思いは変化していきます。
そして純粋だったユーファーと違い、やはりチャンの恋心は「おぼっちゃん」のものでしかありませんでした。
正直、アニタ・ムイよりも妖艶と思えるレスリー・チャン演じるチャンのひ弱でだらしないおぼっちゃまの堕落した美貌に目を奪われます。
しかし時の神の懲罰は惨いものでありました。
ラストの毅然としたユーファーの佇まいを観よ。
遠い昔のしとやかな女性のしぐさと現代の女性のざっくばらんさの比較。
退廃美に染まった男性と現代の率直な男性との比較。
本当の幽霊と撮影で飛び回る作り物としての幽霊の比較。
味気ない現代の建築物と乗り物に比較して50年前の遊郭の華美であることよ。
そして恋愛の比較はどうでしょうか。
ユーファーの耳たぶもふくらはぎにもひとつひとつ触るための値段がついていたという。
現代の女性にはそうした値段はついていないが、どちらが幸福なことだと思えるか。
それは個々で考えてみることでしょう。
以下は私の過去ブログ記事です。フェイユイと名乗っておりました。