ガエル記

散策

『ヨルムンガンド』その2

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昨日は『ヨルムンガンド』の作者・高橋慶太郎氏の絵はあまり巧くないが、と書いたのですが同時にとても上手くて魅力があるのです。

特にキャラクターの描き方がとても好きなのです。

 

日本のアニメとマンガは強く関係していてそれほど好みの違いは異なっていないのはマンガ原作でアニメが作られていくのが当たり前になっていてしかもマンガのイメージを壊さないのが基本になっているからでしょう。

本作もアニメはマンガの持ち味をできるだけ崩さず活かしているのが伝わってきます。こうしたアニメーターの技術力にはいつも驚きます。

 

現在日本のキャラ造形にはほとんど魅力を感じないのが辛い私です。

女性もあまり良いと思えませんがいっそう酷いのは男性キャラです。

特に「イケメンキャラ」と呼ばれているキャラ造形にはいつも「これがイケメンなのか?むしろクズに近いのでは・・」という無礼な感想しか落ち得ません。

13歳くらいの少年ならば少女と見違えても魅力と思えますが、10代後半以降、せめて20代となったら男性らしい顔や体のデザインをして欲しいのです。

今は男でもイケメンというまったく何の意味も無い名称の男性キャラのデザインは決まって細い顎と体で一ミリの色気もセクシーさもありません。

ヨルムンガンド』に登場する男性キャラは決まって顎がしっかりと描かれ体格も女性と明確に違う太さがあります。

そうした対比は女性キャラをより可愛らしく見せると思うのですが、なぜ現在のマンガ&アニメの男性キャラはこぞって細身でしかもそれをイケメンと呼ぶのでしょうか。

イケメンというのならせめて『ヨルムン』のアールくらいの描写にしてくれないと男とは思えないではありませんか。

眼鏡キャラのトージョでもやはり戦闘キャラのためもあってがっしりとした体格に描かれているのが『ヨルムン』の良さですね。

男女の体格差を描いているからこそバルメのダイナマイトボディが活かされてくるのであり、ヨナの子供らしさがひきたってきます。

是非マンガ&アニメは『ヨルムンガンド』キャラの体格表を基準にしていただきたい。

高橋氏があまり巧くない、と言ったとしてもどのように描こうとしているかのセンスは破格に素晴らしいと思っています。

地球上が舞台なので登場人物が多彩なのも魅力です。

主人公は無論、主要メンバーにも日本人はトージョだけというのも面白い選択と配置です。ココの全体が真っ白なイメージでヨナは浅黒い皮膚に白い髪赤い目。バルメはフィンランド人で、爆弾魔(失礼)のアフリカ系アメリカ人のワイリなどキャラ造形が個性的で興味がつきません。

 

世界を舞台にするのならやはりキャラ設定も基準このくらいの感覚でやって欲しいものです。