ガエル記

散策

『ねじの回転』ティム・ファイウェル

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ヘンリー・ジェイムズ原作小説はいかにも私が好きそうなカテゴリなのにもかかわらずなぜかこれまで縁が無くて読まないままできました。

今回BBC製作の本作を観て今更ながら「これは!」とはまり込んでいますw

 

とりあえず小説を読まねばと思いamazonを除くとさすがに古典だけあって幾つもの翻訳が出ていて更に迷ってしまいます。

都合の良いことにkindleになっているので比較してみましたところ、「望林堂完訳文庫」の毛利孝夫翻訳が一番私好みだったのでこれを購読することにしました。

といっても翻訳は原書と読み比べなければどれが良い訳かはわかりませんが、私にはその比較は困難ですので自分の直感を信じたいと思います。

 

さて前置きが長くなってしまいましたが、肝心のBBC製作『ねじの回転』レビューを観てみると案外低評価なのですが私はとても気に入りました。

主人公の家庭教師アンを『ダウントン・アビー』のメアリ役ミシェル・ドックリーが演じています。その効果も相まっているかのようです。精神科医もメアリの夫だったのはちょっと笑ってしまいますが。

 

また脱線。

この作品が低評価なのはどうしても「よくある話」的印象が拭えないからでしょうか。

つまりヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』は現在のホラーやミステリーの原点となる作品だからなのでしょう。

その小説を忠実に映像化するとどうしても「よくある話」になってしまうわけですがすべてはここから始まったのですから仕方ないわけですね。

ゴーストストーリーであるよりも女性の勘違い、のほうに重点を置いているのが気に入らない方も多いようですが私はそちらが好きなのでここで評価が別れてしまうのかもしれません。

かつては女性が精神の抑圧を強く感じていたからこその物語でもあると思うのですが現在では若い男性がこの役を演じても良いように思えます。特に日本でなら。