ガエル記

散策

『ミス・メドウズ』カレン・リー・ホプキンス

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とても面白い映画でした。

ところがレビューを見てみるとかなり低評価でしかも呆れ果てたという感じが多くてちょっと驚きました。

 

ネタバレになります。ご注意を。

 

 

 

 

実にアメリカ的な女性のアメリカ的な物語、と私は思いました。

自分の個性を隠すことなく正義をモットーにして実行する。そんな映画作品でした。

 

そういう女性の物語は日本ではまったく受けないようですね。もっともアメリカでの評価はわからないのですが。

 

確かに悪党と見ればすぐに撃ち殺す、という正義感は時に間違いを起こすという恐れもあるのですから臆病な日本人は疑問視してしまうのですがこれは映画という手法での問題提示なのです。

特に子供に暴力をふるう輩は速攻撃ち殺してしまえ、という彼女の行動には強く同意してしまう私です。

そう思いませんか?

 

そんな彼女が恋をしてしかも相手が保安官でもちろん彼女の殺人を咎めます。これまでこういう場合は理解できない彼氏と別れ・・・というパターンになりがちでしたが彼氏はミスメドウズを庇うことを選んだのでした。

 

ここで思い出したのは安冨歩教授が言ってた「アメリカ映画は必ず最後にどちらかを選択する、という場面がある」というものです。

もしかしたら保安官はその仕事を辞めたのかもしれません。

彼女の殺人は決して法的に許されるものではないのですが、人間としてやるべきものだ、とこの映画は訴えるのです。

 

日本人は「法を犯すなんて」「人を殺すのは間違っている!」とこの映画を叩くのでしょうが、子供を虐待する大人は殺されて当然です。

犬も虐待していたから百倍くらい殺されて当然です。

 

「実際には・・・」とさらにいう人は映画と実際の区別がついていないのです。

実際は無論このとおりにいくわけがありません。スーパーマンがいると信じているわけですか?

実際はこういかないから映画でこうして見せたのですよ?

 

とても女らしくて綺麗でおしゃれで読書好きのミス・メドウズ(今はミセス?)が正義の銃(ちっちゃいけど)をぶっ放すのはすかっとしました。

 

彼女の考えと行動を理解できない限り、日本の子供たちに幸福は訪れないように思えます。

子供を守るのは私たちなのです。