ガエル記

散策

『月に咲く花の如く』その13

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呉漪ちゃん可愛い。日本でも人気が出るかんじ。

 

 

ネタバレですのでご注意を。

 

 

 

 

その可愛い呉漪ちゃんがこんなことになってしまうとは・・・。

 

うーむ。これも因果応報の一つなのか・・・。

趙白石としては。

偶然とはいえ周瑩の身代わりで誘拐されてしまった呉漪を助けたことで一目ぼれされてしまったのは仕方ない。

それと他の人との結婚に追い込まれそうになった呉漪ちゃんが経験豊かな千紅に「まじめな男を落とすには関係を持ってしまった詐欺」をすればいい、という悪知恵をつけられ実行してしまったせいで文字通りまじめな趙白石が結婚する羽目になったのは仕方ない・・・と自分で考えるのなら誠意を尽くすべきだった。

が、もちろんそんなことはできはしないのだから結婚してはいけなかった。

 

呉漪ちゃんの因果応報はもう言わずとも知れますがやはり人の心を奪い取るのはできないのです。

ならば千紅のせい、とも言えそうですが以前に呉漪ちゃんが千紅を見下したことが作用しているのかもしれないわけで。

 

しかし世の悪党たちはこうした善人たちのちょっとした間違いの中に巧妙に入り込み怖ろしい謀略を行ってしまうのですね。

 

これまでどんな苦難にも立ち向かい戦い知恵と友情で勝ち抜いてきた周瑩も政治的悪党どもには屈せざるを得ないのです。

しかし清朝のこの腐敗ぶりを見ていると文化革命にならざるを得ないとしか思えません。ここまでの腐敗を一掃するにはいったん爆破するしかなかったのでしょう。

ちまちまと政治改革など無理だったのでは、と思わされます。

 

呉漪ちゃんが気の毒ですが彼女がもし頑なであっても別の誰かが周瑩を貶めたはずです。

虚しいのは趙白石です。

お前そこで泥酔してる暇ないやろ。

ほんとうに馬鹿なやつ。

 

まだ若く純真な周瑩と沈星移はあまりにも正直すぎました。

それは趙白石も同じ。

 

世界は残酷で腐りきっている。

 

文革しかないのか?

 

群王となった載漪(貝勒というのは役職だったのか。今気づいた)はますます権力を強固にする。

趙白石は師匠である張長清から織布局の株を渡さないと趙白石が窮地に追い込まれてしまうと言われながらもそれを不正だと退け免職になってしまう。

さらに張は呉漪を使って周瑩に横領の罪をかぶせるわなを仕掛ける。

 

師匠が正しい人物だと信じていた趙白石はそれがすべて張の見せかけにすぎなかったと知らされ愕然とする。

周瑩はもう死刑になるしかないのか。しかも彼女を追い詰めたのはすべて自分のせいだと趙白石は絶望し泥酔してしまう。

その間に周瑩を助けにいった沈星移もまた策略にはまり投獄されてしまうのだった。

 

すべてが謀略。絶望しかありません。

かといって沈四海のようになっては一生奴隷でしかない。

周瑩は牢の中で「大志を抱いたのが間違いだった」とつぶやきます。

 

やはり文革しかないでしょ。

(いや文革したらもっと大志はないだろうけれども)

 

 

いややはりこれ、今の日本社会も同じなんですよ。

古い制度古い企業がすべてを把握していて新しい企業が伸びていこうとすれば必ずつぶされてしまう。

新しいイノベーションを。

なんて言っているのはうわべだけで実はそういうものは成長できないようになっている。伸びようとすれば権力に取り込まれてしまわなければならない。

若い人が成長することはできない。

 

やはり文革か。というのも半分は冗談じゃなく。

一度破壊されてしまわないと日本社会は良くならないのかもしれません。

コロナウィルスがそれにどう関わっていくのか。

怖ろしいけどそうなってしまうのかもしれません。