ガエル記

散策

『如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜』24

82話まで鑑賞しました。

 

ただただ侘しい。

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

現在の中国が作る歴史ドラマなのでどうしても歴史上の皇帝と皇后というよりは庶民の夫婦喧嘩に思えてしまうのです。

とはいえそれがいけないわけではなく一つの見え方であり演出だと思います。

先日観た シャルル・ド・モー監督作品『背徳と貴婦人』での皇帝と皇后はやはり異国人の視線でありました。

不思議な異世界の住人を見るようなファンタジックな演出で清の皇帝と皇后を描いたのです。

しかし本作は当たり前に存在する人間たちです。

同じ東洋人ではあれど現在日本人から見る清の後宮の生活は不可思議でもありますが西洋人よりは共感できるのかもしれません。

とはいえ宦官はどうしても恐ろしすぎると思いますが。

 

本作での皇帝と皇后は意地の張り合いです。

「どうして優しくしてくれないのか」と互いに互いを恨んで憎んでいる様子は現代人とまったく相違ない。

だからこそ人気作品となったのでしょう。

 

若さを売り物にしていた炩妃もすでに40歳を越えた様子。

年老いた男女の愛憎劇になってしまいました。

このもの悲しさはなんでしょうか。仲良くしなければいけません。

しかしどうしても仲良くなんかできない人間たちのアンニュイな雰囲気がこのドラマの主旋律なのだから仕方ない。