ガエル記

散策

『尚食』その2

お坊ちゃまと飯炊き女のラブストーリーだと思っていたらほとんどそうした話にはならないのが面白いです。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

これまで観てきた(って数作品に過ぎませんが)紫禁城ものは皇帝ひとりが絶大な権力を持ち皆がそれにへいこらする設定でした。

本作ももちろん皇帝が絶大な権力を持つのですがそのひとがすでに「お爺様」で中年の皇太子が太っちょの善人でイケメンだけど小賢しい腹黒男の叔父がいて皇帝お気に入りの孫皇子がいる、という複雑な権力構造がまずあります。

いつも皇帝だけが主軸の物語に興醒めする部分もあったのでこの構図はなかなか面白く思えます。

皇帝の演技が面白くてそれを見るだけでも価値があります。台詞なしで表情と手の動きで心を表すのですがこれが芝居というものでしょうか。

太っちょ皇太子お父さんが可愛くてこのドラマの一番のアイドルですわ。痩せなきゃいけなかったはずですがどうやらダイエットは遂行されない様子。

二叔父はマジイケメンなんですが(なんとなく日本人的美男子に思える)なんか小物なのがおかしい。

ヒロインの恋の相手、朱瞻基は完璧人間ですがどことなくおかしみもあるのが救いです。

そこに加わる叔父の息子・游一帆がダークな彩を添えます。

 

鮮やかに美しいドラマで悲哀もありますが基本的にユーモアがあって飽きさせません。

恋愛ドラマを求めている方にはやや物足りないかもしれませんが私は楽しませてもらっています。

やっぱり『瓔珞』で反省があるのでは、と思えてしまいます。

が一方その至らなさに魅力もあるのだ、とも思いますね。