ガエル記

散策

『三国志』横山光輝 第七巻

そ、孫堅~~~~渋い扉絵ですわ。

凛々しいお顔です。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

孫堅立つ」

ですが冒頭では劉備が「平原の相」に任命されたという知らせを公孫瓚が告げるところから始まる。

公孫瓚劉備を労い宴会を催してくれた。

張飛の笑顔が嬉しいわ。関羽張飛の飲み比べ。

劉備は「お前達のようには飲めんよ」と言って酔い覚ましに外へ出る。

そこへ「玄徳殿」と近づいてきたのが趙雲だった。

趙雲、積極的~。劉備の「えっ」っていう顔が面白い。しかし趙雲優れた才能なのになかなか上司に恵まれなかったんだな。

わ、かわいそうな趙雲。ふられた~。

劉備はとにかく武将に好かれるし巡り会いもよく見極める力もある。こうした時代に最も必要な資質を持っている人物だった。

 

とここまでで以降が「孫堅立つ」となる。

多くの忠実な部下を失った孫堅の復讐劇が始まる。

劉表軍との戦い、出だしは孫堅の果敢な攻撃で押していくが襄陽城での戦いの中で強風により大将旗の竿が折れるという不吉なことが起こる。

部下たちは恐れをなすが孫堅は一笑に付すだけだった。

夜中襄陽城から抜け出て援軍を頼もうとする劉表軍を追った孫堅は敵の罠にはまり落石によって命を落とす。

わずか三十七歳の最期だった。

 

この戦いで幼いながら孫策が活躍しているのですね。孫権はお留守番。

 

一方董卓長安の都で権勢をふるっていた。

そんな中で孫堅の戦死を聞いた董卓は大笑しいっそう己の権威を見せつけていく。

 

この様子を伺い涙するのが王允だった。

王允曹操董卓暗殺を口にした時、家宝の剣を授けた人物である。

曹操は敗退し董卓の力は計り知れないほど大きくなっていった。

知恵者である李儒と武将呂布に守られた董卓にはつけ込む隙がない。

自身の力ではもうどうすることもできないと嘆く王允に問いかけたのが義娘・貂蝉だった。

奴隷だった自分を実の娘のように慈しんで育ててくれた王允に恩を返したいという貂蝉は「董卓呂布を仲違いさせてはいかがでしょう」と提案したのだ。

驚く王允貂蝉は決意の笑顔を見せた。

 

まずは呂布を迎え美しい貂蝉の舞を見せると呂布はたちどころに恋に落ちた。王允呂布に「娘を差し上げます」とにこやかに約束する。

次に董卓を招待して同じく貂蝉を目合わせると董卓はその日のうちに貂蝉を連れ帰ってしまった。

これを聞いた呂布は怒って王允に詰め寄るが王允は「董卓様は後日呂布をからかいたい」といって貂蝉を連れ帰ったのだと言い訳する。

早とちりだったと呂布王允に謝るが心は貂蝉恋しさでおかしくなっていた。

急ぎ董卓の城へ向かった呂布貂蝉がすでに董卓の手に落ちたことを知る。貂蝉はわざと「愛しい方とおられず嫌な方の側にいなけらばならない。悲しい」と呂布の心を動かす。

呂布は「必ずあなたを助ける」と引き寄せる。

その様子を見た董卓は怒り呂布を罵る。

が知恵者・李儒は「女と天下のどちらを選ばれる?」と董卓に問う。

ハッと我に返った董卓は「いま女にうつつを抜かしているわけにはいかぬ」とひとりごちる。

貂蝉は再び思案するのだった。

 

男の力技がほとんどの『三国志』の中で珍しい女性の色香篇です。

後に周瑜の妻エピソードもありますが女性との色恋が大きく関わっているのはこの「貂蝉篇」が一番なので(そういえば最初の芙蓉姫エピソードもありましたが)ここは良く語られる場面ではないでしょうか。

とはいえ「赤壁の戦い」と同じくここも劉備は関わっていないw

三国志』で話題になるエピソードが劉備なしが多すぎるw

劉備の名場面は「桃園の契り」と「三顧の礼」だもんね。真面目だなあ。

「お慕しておりました」と言われるのはいつも豪傑からなのが劉備です。(軍師からも)