四巻で中断していた『伊達政宗』続きから最終巻(八巻まで)読了しました。
ネタバレしますのでご注意を。
先に山岡荘八原作の『徳川家康』を読んでいたので復習するような形で読め非常におもしろかった。
最後に行くほど政宗の人生には家康の影響が大きくなっていく。
政宗を評して「あと二十年早く生まれていたら天下を取っていた」と言われるが一二年ならまだしも二十年は大きすぎる。
むしろ二十年遅く生まれたからこそ政宗たり得たのではないかとも思うのだが。結局歴史でたらればはあり得ないと思うのだ。
なぜなら歴史は様々な要因が関わってできていくもので単純に計算できるものではないからだ。
深い知性と勇猛さを併せ持つ政宗の魅力が最期まで続いたと思える。
『三国志』で横山光輝氏は曹操が一番好きだと言われていたが政宗の描き方をみてもそれがよくわかる。
年老いていくと惨めになってしまう人物は多々いるができれば英雄に最後までその魅力を失ってほしくない、と願ってしまうわけで政宗の描き方は理想かもしれない。
しかしそれは「天下を取る」と言う野望を捨てたからこそなのかもしれない。