何度も同じこと言ってしまうけどバビル2世のかっこよさは格別。しかし読めば読むほどカムイを意識していると確認できます。ううむ仕方ない。(だっていちばんかっこいいんだよカムイは)
ネタバレしますのでご注意を。
正義の少年バビル2世はとにかくカッコいいけどその分あまりおもしろくはない。それは(私の勝手な憶測ですが)カムイ的なクールなヒーローを意識したためにバビル2世が孤高の存在になってしまって仲間とのやり取りがないからだ。
萩尾望都レッド・セイはバビル2世をイメージしたヒロインだけど萩尾氏はセイを孤独にはせず仲間を作ったのでセイはずっと誰かとの連携が生まれていく。
現在のマンガ作品を見れば極端に孤独なヒーローヒロインが不在で仲間とのわちゃわちゃを描くのがそしてそれを読むのが楽しみになっている。
『バビル2世』が現在復活し難いのはそこにある。
まどそごみさんの二次創作で引き寄せられた私ですが結局まどさんもバビル2世と伊賀野氏のやりとりを描くことで読者を魅入らせている。
他の方はバビル2世とヨミとのイチャイチャになりがちなのだろうけど、やはり敵ではなく仲間同士でのつながりを求めてしまうのが現在の読者なのだ。現実世界においてコミュ障もしくは人とのつながりの少ない現在人は甘い人間関係を読みたいのである。
(だからもちろん『カムイ外伝』も今は復活しにくいだろう。孤独なヒーローは今求められていない)
横山氏の『三国志』が相変わらず人気なのはあちらは濃厚な人間関係の作品だから当たり前なのだ。
逆に今惹かれるのはヨミ側なのかもしれない。
ヨミの部下たちは案外その他大勢のモブじゃない。表情がひとりひとり読み取れる男たちとして描かれている。
ところで横山マンガでは当然といえば当然だがヨミには悪党につきものの女性がいないね。男所帯だなあ。
人間味のあるやりとりだ。
一方のバビル2世。
とにかく冷徹なのよこの少年。
男ばっかり作っている・・・普通美女を作るよね?しかし普通の格好してるな科学者たち。
そしてめちゃくちゃかわいいバビル少年。
だが容赦なし。まだなにもされてないのにw
こうしてヨミの人体改造工場に侵入したバビル2世はその様子を目撃して逃亡した。
それを知ったヨミは工場を消滅する。そして秘密を知ったバビル2世を始末しようと決意する。
ヨミは世界中に自分の命令のみに動く改造人間を配置して世界征服を考えているのだ。
(この世界征服という考え方も今は廃れてしまったな)
子ども相手に憤るヨミ様。
一方のバビル2世は
やっぱり宗教がかっている。コンピューターというよりジャンヌ・ダルクが神の啓示を受けているような感じに思えてしまうのだよな。
なぜこんなカーテンビラビラの部屋にいるのかな。
ヨミ様。なにを汗ってるのか。
そして汗るヨミ様に部下が良いアイディアを示す。
孤独なバビル2世とは大違い。ヨミ様は多くの部下(男ばっか)を従えている。文句なく働いているから給料や休暇はありそうな気がする。お昼休みもありそう。お茶休憩もありそう。
会話にも敬意がある。奴隷に言う言葉じゃないな。
椅子が普通の椅子でかわいい。
一方バビル2世は
孤独だ。ロデムさえいないし。
なのでひとりで走り回らなければならない。せめてお手伝いロボットくらい欲しいよな。
たいへんだ(;´∀`)
あんまり可哀そうだったのかここで可愛いの登場。
これくらいいないと寂しいよね。にしてもかわいいウサギロボット(モルモットロボットと呼ばれているがw)
うう。孤独感が増すなあ。
ところであのカムイだって孤独が好きだったわけじゃなくいつも仲間を求めてはいたのだよな。
バビル2世が伊賀野氏の登場でべったりになるのは当然なのだ。
思いやりがあるヨミ部隊
「おまえ」呼びしてるのが仲間意識を感じさせるんだよ。絶対勤務後飲みに行ってる。
なぜ横山氏はヨミ一味をこんなに人間味あふれる組織にしてしまったのか。
ヨミの部下たちは(よくは知らないが)仮面ライダーのショッカーとは違うのだ。
そしてヨミは連絡のつかなくなった第六基地へと向かう。もちろん部下たちと共に飛行機で。
が、第六基地は完全に破壊された後だった。
これはバビル2世の仕業だとヨミは気づく。
とヨミの目前に
「ロボットを攻撃しろ」とヨミは命じたが残念ながら攻撃用兵器は積んでいなかったのだ。(なぜそんな現実的な)
巨大ロボットは海中を進み
こういうとこにみんな惚れちゃうんでしょ。わかる。
プクン。
第六基地の後第四基地もバビル2世によって破壊される。
(うーむ。今のところこのマンガで暴力行為を見せているのはバビル2世のほうなんだよな。ヨミはやられているだけ。どっちが被害者なのかよくわからない)
組織での会議を終え(民主的)ソドム大佐の失われた記憶を戻す実験をするうちにヨミは自分自身の既視感を感じてしまう。
ヨミにこそ失われた記憶があったのだ。
もうこの辺、ヨミが主人公だ。
ひとり記憶をたどって砂漠に降り立つヨミ様の身を案じて飛び降りる部下たち。泣ける。
しかもその部下たちは殺されてしまう。なぜそこまでヨミ様を慕うのか。
ここでヨミは自分とバビル2世が同じくバビル様の血を引く子孫であったと知る。(いまいちよくわからない)
しかしバビル2世のほうがより強くバビル様の血を引いていた。ヨミはバビル様が定めた能力に達していなかったので塔(つまりコンピューターってことね)はヨミを不適格と見なし追放したというのだ。
ううむ。ますますヨミに同情してしまう。能力が足りなかった、というだけで追放かよ。それじゃぐれるよな。
ヨミは逃げ道を思い出し塔から逃げ出すがその時にやはり記憶を消失してしまうのだ。
一方バビル2世は東京で国家保安局の局長に会いその超能力を見せつける。
大人に悲鳴を上げさせるバビル2世。
局長さんイケおじだな。
この局長さん、かっこいいけどすぐにバビル2世のファンになる。
しかし副局長がヨミの手先に捕まった時助ける男気がある人物でもある。
バビル2世・局長副局長がヨミの手先に捕まるがそこに現れたのがバビル2世のしもべたちだった。