リアルタイムで読んでいない者にとって同作家の作品の変遷をつかみ取るのは難しい。
年代を見れば鉄人28号の終り頃にこの作品が生まれている。横山氏の説明で「発明は大きなものから小さなものへ進化していく」とあるのである意味鉄人の進化系と言えるのだろうか。
とはいえ本作は2巻で終わってしまっているし横山氏はこれ以降も大型ロボットの登場が多いのを考えてもそれほど小型ロボットもしくは等身大ロボットに興味が持てなかったのかもしれない。
とはいえさすが横山キャラクターの魅力はそんな中でも感じられる。現在で言えば映画『M3GAN』のミーガンと重ねてしまう。美しい少女アンドロイドは多くのそうした趣味人に興味を与えたに違いないように本作のサンダーボーイもかわいい健児君とそっくりな容姿をしている。
例によって悪党にその高い能力を狙われ捕獲され動けないように固定されてしまうのだがどうしてもエロチックに見えてしまうのだ。
このキャラデザは吾妻ひでおを思わせる。
取り留めもなく書いてしまうが「父息子コンビ」というのも日本では珍しい主役ではないだろうか。
品の良い話し方がすてきな父子である。
こういう「あの子を守る」的な感じがミーガンを思わせるんだけど映画『ミーガン』の時に『サンダーボーイ』を思い出した人はいたのかな。
(私は今初読みなのでできなかった)
サンダーボーイ、立ってるだけなんだけどすごく
えっちなんだよ言い方が。
かわいそう・・・
しかしサンダーボーイは健児の脳波によってこの縛めからも脱し無敵の強さで戦う。
どうして横山氏は『サンダーボーイ』は長く続けられなかったのだろう。
サンダーボーイが飛んでいるとどうしても『鉄腕アトム』を彷彿としてしまう。アトムの真似をしていると言われてしまいそうだ。
そのことに抵抗があって等身大ロボットは封印してしまったのでは、と思ったりもする。
キャラクターからの宣言だ。