ガエル記

散策

『三国志』横山光輝 第三巻

第三巻参ります。一・二巻の表紙が劉備だったのが三巻で張飛。やはり横山氏は張飛お気に入りだったのではないかとここでも思わされます。

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

前回で破格の武勲を立てた劉備軍ですが悲しいかな正規軍ではなく義勇軍であったこと、というより劉備が賄賂を使わなかったことから入城も許されず長きに渡って寒風吹きすさぶ中で冷や飯を食わされる。

心ある人物のとりなしにもかかわらず結局劉備に与えられたのは田舎の警察署長の役のみだった。

ここで文句も言わず礼をして去っていく劉備軍の面々。申し訳ない。

しかも口添えした人物は殺害されてしまう。むなしい。

 

警察署長になった劉備は地元民にも慕われ安泰した生活を送っていたがそこへ帝からの勅使が訪れ例によって劉備に賄賂を要求するのだった。

昼間から酒を飲み遊び女たちと享楽にふける勅使を見て劉備は愕然とする。

虚しさを抱えて劉備は外出を控え、関羽は書物にひたり(やはり塾の先生)張飛は酒に溺れるのだった。

賄賂のために訪問してきた勅使は苛立ち劉備に無実の罪を着せて罰を与えられることにする。

これを聞いた張飛の堪忍袋の緒が切れる。

で、これです。

張飛に棒打ちされたら死にそうだが構わず滅多打ちにする張飛である。

 

それを知った劉備関羽は駆け付ける。

いったんは張飛咎め劉備だったが手の平を返すように憐れに命乞いする勅使にあきれる。

加えて関羽も「そんな人間を助けてやってもしょせん無駄なこと」と言い放つ。

いやあ清廉潔白ってこういうことよね。

さらに関羽は続ける。

「黄巾賊と命がけで戦い大功を立てながら田舎の警察署長の任務のみを与えられこのような勅使に侮辱される」

「仕方あるまい」とうなだれる劉備関羽

はっとする劉備張飛

関羽カッコいい。そして頭脳明晰。こういうことなんだなあ。三人の力を合わせるって(泣)この言葉に劉備も決意をする。

張飛もまた

言語化できない張飛言語化できる関羽

吊り下げられてままの勅使をほっぽって幸福そうな三人。

いい気味である。

 

いやあ、良い話だった。満足。

 

我ら立ち上がるは天下万民のため

我住む所誤てり

 

その後あてもない旅に出た三人は張飛のつてで食客を抱える屋敷を訪れそこで劉備は芙蓉姫と再会する。

恋に落ちた劉備を見て狼狽する関羽

が、運の良いことに(?)追手が迫っていることを知って三人は屋敷を出る。

後ろ髪を引かれる思いの劉備だけど関羽はほっとしたのだろうなあ。

三人は一度ここで別れ再会を誓う。

母の元に飛んでいく劉備だが気丈な母にここでも叱咤されてしまう。再会する時は夢をかなえた時と。

劉備はそのまま家を後にする。

 

一方宮廷は十常侍という宦官らが時の帝を酒浸りの腑抜けにして権勢をふるっていた。

十常侍はとある美しい娘を皇帝に献上し彼女は何后と呼ばれ皇子を生む。そして他に皇子を生んだ女性を毒殺してしまう。

この時期に病床についた皇帝が例の有名な一コマである。

そりゃ辛かろう。

地獄の中で生活している皇帝である。

この気弱な皇帝が崩御し宮廷はますます大いに乱れる。

何后(この時は何太后)は兄の何進を将軍にしていたがこの成り上がりの将軍もまた袁紹によって操られ各州の英雄たちを呼び寄せるという手段をとる。

これを見た曹操は不敵な笑みを浮かべるのだった。

曹操~~~~シャアかな?

 

そして曹操が言った通り天下を取らんと董卓が兵を挙げる。しかし董卓が到着するまでもなく何進将軍は謀殺されるのであった。

 

次、四巻の表紙は曹操です。

横山氏のお気に入り順番がわかる。