ネタバレしますのでご注意を。
冒頭すぐ、十年前に野盗から救ってくださった偉い行者様が再び現れたとして農家の人達から感謝される少年。
貧しいのにご馳走を並べてくれる。
が、織田信長から「怪しい行者がいるらしい。しょっぴいてこい」と命じられた侍たちに連れて行かれる。
信長かっこいい。
信長に間者と戦って力を見せてみろ、と言われメガネを装着する行者様。
オーラが見えるので間者が隠れていてもすぐ見つけられるのだ。そして
とやっつけてしまう。
第1話は織田信長から秀吉に対象が変わっていく。
秀吉は行者様に信長が天下を取れるのかを聞く。行者の答えは否であり天下を取るのは「花びらが信長公を襲った時、一番早く動いた人」だった。
そしてその予言通り花びらの旗印を持った光秀が(桔梗紋)謀反し
本能寺の変が起きる。(後ろに蘭丸君らしき少年がいるし)
そして秀吉は「一番早く動いた」のだった。
行者は十年ごとに現れる。
現れた行者を秀吉は丁重にもてなし「これからどうすればよいのか」を聞いた。
行者は秀吉が天下を取ると告げ「決戦の場所は賤ヶ原」と教えた。
ひとりになった秀吉はこの言葉に喜んだが同時に行者への疑惑が浮かんでくる。
「あの行者の言葉は人に聞かせぬ方がよい」秀吉は行者の口を封じねばならないと考える。
秀吉が差し向けた射ち手に行者は襲われるが行者の法力(バリアー)は銃の玉を通さない。そしてやはり光線銃で周囲の木々を燃やし驚く射ち手たちに「よいな。もう追うな」と言い残して去っていった。
射ち手たちはひれ伏して行者を見送った。
はたしてこの少年が宇宙人であったのか。それとももっと文明の進んだぼくたちの子孫だったのか。それは読者の想像にまかせるとしよう。
少年行者は歴史を変えはしない。
つまり読者は歴史がどうだったのかを学んでいくわけです。
続いて第2話は関ケ原。時の行者はいきなり襲われるが秀吉に仕えていたという老武士に助けられる。老武士は二十年前去っていく行者を襲った射ち手の指導者だったのだ。
老武士は石田三成に行者の法力を知らせる。三成は西軍と東軍のどちらが勝つのかの予言を聞きたくなった。
が口ごもった行者に三成は痺れ薬を飲ませてわずかに勝ち負けを知る。
手当てをしてくれた老武士にだけ行者は勝つ方法を教えるが間者が老武士を殺してしまった。
それを見た行者は間者たちを光線銃で倒していく、そして三成に言っておけと伝えた。「西軍が勝つ鍵を握った男を自分たちの手で殺してしまったとな」
関ケ原の合戦は行者の予言通りとなった。
第3話「宇都宮の釣り天井」
1622年、時代はすでに徳川の江戸時代となって家康は死去し二代目秀忠が将軍となっている。
この時に家康の懐刀と言われた正純は権勢を誇り秀忠や秀忠側近らから怨まれることになる。
これに対し不満を持った本田正純は神君家康公の七回忌に秀忠将軍が日光東照宮に参られる際の宿泊場所・宇都宮城に釣り天井を仕掛け秀忠暗殺を企てたのだ。
行者は正純に対して「あなたの計画は失敗します。あなたは権力争いに敗れた。あなたは大久保忠親に謀叛の罪を着せ取り潰した、それと同じ方法で潰されるのです」と告げる。
その言葉に怒った部下たちは行者を殺そうとしてやはり逃げられるのだが正純は「もうどうすることもできないのだ」と我が運命を受け入れた。
(実際には釣り天井はなかったようですが正純の権勢を抑えるための謀略というものだったのでしょうか。しかし釣り天井で暗殺する、という逸話が印象的です)
第4話「駿河大納言」
『闇の土鬼』で知りました、徳川忠長。詳しい経緯はそちらを(って詳しく書いたかどうか)
父(秀忠)と母は容姿端麗利発な幼き忠長を愛したのだが家康は家督は長男が継ぐとして家光を選んだ。
このことから忠長は変な人格になっていったようだけどこの話からしても家康は正しかったのではないだろうか。
第2巻
「島原の乱」
子供の頃日本史でもっともトラウマになったキリシタン弾圧の話が描かれる。
本作も恐ろしいです。
そして行者はここで天草四郎に出会う。
すっごいかわいい少年だ。
ここでも行者は予言をする「あなた方は全滅する」と。しかし天草四郎はその言葉にも屈せず人々の心の支えになると誓う。
そして悪政をした者たちにも報いがある、という一念で天草四郎は進む。
「寛永の大飢饉」飢饉に乗じて米の値段を釣り上げる役人や商人がいた。行者の働きでその不正が見つかり処罰される。
「由井正雪」
初めて衣装の下の姿を見せる。
ここで「みゅじっくかせっと」が登場。
「慶安の変」で徳川幕府はむやみやたらと大名を取りつぶすことをやめた。おおぜいの浪人が発生するのを恐れたからである。
という感じで江戸時代の出来事が語られていく。
なぜ行者がこれらに関わっていくのか、まだわからない。