ガエル記

散策

『三国志』横山光輝 第十一巻

これは孫策孫堅ではなく息子の孫策ですね。立派に御父上の血を引いておられる。若干21歳なのに老成しておられるわ。

これを読んでると孫策の領民になりたいですね。

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

 

 

そんな孫策と一騎打ちし勝負がつかないほどだった太史慈

なんかもう戦闘ロボットみたいな角をつけています。

 

とにかく孫策は観てて気持ち良いほどの豪傑らしい気勢と名君の風格があります。小覇王と呼ばれるのも頷ける。

この太史慈も元の将軍の判断力の無さに失望し孫策の器の大きさに感銘を受けて部下となる。

三日間の猶予を与えられて約束通り三千の兵を集めて帰ってきた太史慈の逸話はかっこいい。

孫策を若造と貶め見くびる徳王と王朗。

王朗の配下である仲翔は徳王を孫策に引き渡してよしみを結ぶべきと提言するがこれを撥ねつけられてしまう。

新しい時代の波を感じ取れない上司に愛想をつかして飼っていた小鳥を空に逃がす。

 

こうして孫策は着実に勢力を伸ばしていく。

そして孫策袁術から足がかりに三千の兵を都合してもらった時に引き換えにした玉璽を返していただきたいと願い出る。

これに対して袁術側は孫策への反感を露わにしそれまで無下にしていた呂布への褒賞を送って再び劉備打倒へのけん制を行う。

 

ここでの呂布の対応に舌を巻く。

袁術軍の総指揮者・紀霊将軍と劉備に和睦を勧めたのだ。勿論驚く両者に酒を二杯飲んで遠くの槍に矢を射当てたら天の声と思えと言い放ち見事槍の先に矢を命中させたのだ。

納得できないのは張飛だった。劉備が治めていた城を追い出さてしまったのは自分の過ちのせいだがとはいえ呂布の裏切りを許せるはずがなかった。

張飛呂布が買い求めた馬を盗みだし「もともとこの国の金は劉備殿のもの。返してもらっただけだ」とバッサリ切って捨てた。

ここで劉備

と決意するのだ。

ここでやっぱり張飛惚れてしまうんだろうなあ。

しかし関羽はもっと兄貴思いよ。

ござらん、ってしびれるわ。

 

しかしここでさらりと関羽劉備曹操の元へ送っちゃうんだな。

 

さあここからの張飛は鬼神よ鬼神。

多勢で迫る呂布軍を切り刻んでいく。

呂布の首には届かず。

関羽に引き上げるんだと言われ嫌がるが

このシーン良いね。

なんかジーンとする。無我夢中で切りまくり敵陣深く入り込んだ張飛を追いかけてきた関羽、というのも凄いし。

なんか宇宙的な広がりを感じます。

ほんとうに常に劉備のことだけを考えているんだな関羽。泣ける。

 

 

そして劉備関羽のいうとおり曹操の元へ落ちのびる。劉備を迎え宴会を催す曹操たん。

うお、名場面きたあ。

ふたりならんでる。劉備の目を伏せてる感じがしおらしくてな。

こう切ったら結婚会見と言っていいね。婚約会見でも(どっちでもいいしどっちでもないし)

 

こうして曹操劉備に恩をめぐむべき、として彼を豫洲の長官に任命する。

 

さらなる名場面が待っている。