日本語の死gamayauber1001.wordpress.com
ほんとうはこれじゃなくて新しく書かれた記事があったのですが、最近彼は非常に繊細になっていてすぐに書いた記事を消してしまうということを繰り返しているようで少し前のこれにリンクするしかありませんでした。
ブログ名のガメ・オベールさんというべきかツイッターのほうで知ったのでJames・Fさんと書くべきか迷うのですが彼を知ったのはいつだったのでしょうか。
とにかく場所はツイッターでその時彼はすでに酷く繊細に苦しんでいるところでした。
どうやら彼はweb上である日本人にしつこくつきまとわれ惨い罵詈雑言を浴び続けていたようなのでした。
私が知ったのはそのことで彼がすっかり参ってしまい、「美しくて好きになった日本語と優しいと思っていた日本人にすっかり失望してしまった」ということでした。
その後、少しずつ知ったのは彼が海外の方(たぶんニュージーランドの人)で英語圏の生まれ育ちでありながら日本語を美しいと思う感受性を持って信じられないほど巧みで素晴らしい日本語の文章を書くようになって多数の支持者を得たのですが、なぜなのか彼の才能に嫉妬した(と思える)日本人がいて「コイツは外国人のふりをした日本人で信者を集めている」と奇妙奇天烈なインネンをふっかけているようなのでした。
仮に彼がほんとうにそうなのだとしても(?)そのことで執拗に追いかけまわし侮蔑語を書く意味がわからないのですが、彼自身はそのことですっかり神経をすり減らして日本人と日本語と日本そのものからもう離れてしまおうと決意し、しかし決意しかねるように逡巡している場面に私は出くわしたのでした。
彼の美しくしかも独特の味わいとユーモアのある文章のファンはおとなしい人が多かったようでそれまであまり彼のその嫌らしい攻撃者や彼の苦しみに強く関わっていなかった、のでしょうか。(と私には読み取れましたが)
が、彼のその別離の言葉に彼らも急に慌てだしたのか攻撃者を叩きに行ったり彼の日本語への別離を引き留めたりと行動を始めたのではないでしょうか。
いきなり修羅場に入り込んでしまった私は状況をつかむのにもしばらくかかってしまったのですが確かにこの魅力的な文章と繊細な視線を持つ人がいなくなってしまうのは大変な損失でもったいないし友人や知り合いであるなら寂しくてたまらないであろうと思います。
私もその後、ガメさんのブログを幾つか読みその知性とユーモアを楽しみました。
ちょっとお洒落すぎるほどの技巧も感じます。
この洗練された文を書く人がかつて美しかった日本語が耐えきれないほど下品にくだらなくなってしまったことやかつて優しさを感じた日本人がそれはもしかしたら全部偽物だったのかもしれない、すべては嘘だったのかもしれない、と失望していくのは悲しいことにとても理解できてしまいます。
確かにこの数年のあいだに日本人は不気味に変わってしまいました。
それはもともとそうだったのでしょうか。
日本人である私にもよくわかりません。
私も日本人はもう少し頭が良くてもう少し優しい人間なのだと思い込んでいました。
それがいつのまにか知性を失いというより知性を持とうとする気持ちを失いました。
そして優しくあろうとする気持ちも失った気がします。
ガメさんは福島原発事故以来、という感じ方をされているようです。
つまり東北震災以降ということでしょうか。
私はもう少し前オウム事件(つまり阪神震災)以降のようにも思っています。
しかしほんとうにそうなのか。それらはきっかけだったのかもしれませんがもともとそういう人種なのかもしれません。
第二次世界大戦期、日本人がほんとうは信じられないほどに怖ろしい気質を持っていたことが暴露してしまいました。
それは残虐なのか、それとも惰弱からなのか、それとも知性がないのか、その全部なのか。
戦後復興するために必死になって頑張ったと思い込んでいますがその怖ろしい気質はやはり公害病や極端な男女差別に現れてしまっています。
経済が高度成長し(たと思い込み)バブル経済となってはじけ数回の厳しい自然災害と原子力発電所の崩壊で日本人も崩壊してしまった気がします。
それは災害だけで崩壊したわけではないのですが、それまで覆い隠してきたものが災害によってあらわになってしまったように思えます。
そして歪んだ社会はオウム真理教のいう化け物を生み出してしまいました。
そして日本政府は死刑という形でそれを封じ込めました。
そのことも日本社会の稚拙さを表していると思えます。
ガメさんという異国の人が日本語と日本を愛してしかしその正体を目の当たりにして失望して去ろうとしているのを私は引き留めることはできません。
その文章をもう少し読んでみたいとは思いますが。
この時期を乗り越えて日本人という人種がもう少し成長してガメさんがその変化を書き留めてくれる日は来るのでしょうか。
私にはあまり強い希望を持てないでいます。
この小さな島国にはそのような異形の魂が住んでいるのかもしれません。
先日学んだように大陸から逃れ落ち、大陸にはもう死滅したDNAが生き延びている国です。
そのDNAはこのような形のものです。
そんな風に諦めてはいけない。変化しなければいけないのだ、ということはわかっているのですが。
追記:おお、なんと消された記事が復活されていました。うれしい。