ガエル記

散策

ほんとうに『息もできない』ヤン・イクチュン

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またまたとんでもない韓国映画観てしまった。

これは凄いとしか言いようがないでしょう。他の方のレビューもとても高いのが多いですが当然だと思います。これが評価されているというのも素晴らしいことです。

 

監督・脚本・主演のヤン・イクチュン。インディーズ映画にして様々な海外の映画賞を取りまくった作品でもあるのですね。

どうしてこの映画がそれほど多くの人の心を打ったのでしょうか。などと問わなくても観てみればわかるはずです。

主人公サンフンのやさしさと粗雑さが悲しい。心には愛を求める気持ちと愛を与えたい気持ちがあるのに幼い時からそれをどうすれば表現できるのかを教わっていないから方法がわからない。

女子高生ヨニも同じ心を持つ少女で、だからこぞふたりは互いを共感できたのです。

 

でもどんなに愛情があってもそれをうまく伝えることができなければ人間は生きていくことができないことを早く彼に教えてあげたかった。

もう少し時間があればサンフンはそのことがわかったはずだった。

 

ラストに至るまで完璧に素晴らしい映画ですが、ダメになるとわかっても甘々なラストに作り直してほしいのです。

それに一瞬きらりと光るものが走ったように思えたのですが、気のせいでしょうか。

 

やっぱりね、人の心を傷つけてはいけないんだなあ。

サンフンにもう一度生まれ変わってもらいたいなあ。