なぜか唐突に観たくなり鑑賞。
ダニエル・クレイグだけじゃなくマッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーンも楽しめるお得な一作です。おっとジュディ・デンチ姉御も忘れてはいけない。
一流の紳士でありタフ・ガイであるダブルオーセブンの未熟期を描いたというのもあって他のダブルオーシリーズにはない特別な魅力のある一作でもあります。
以下ネタバレしますのでご注意を。
マッツ・ミケルセン演じるル・シッフル。こちらも無敵の悪の帝王ではなく資金繰りに苦闘するという奇妙な設定とも言えます。
が、マッツ=ル・シッフルの病的な美貌がなんとも魅力的なのです。
傷ついた左目からは血の涙が時折流れ落ちる、という特性は『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉の頭部覆いからあふれ出る体液のようなエロチシズムを感じさせます。
イラつくと急ぎ吸入器を出すのも似合っている。
そしてボンドに対する睾丸攻め拷問。
よくあるそれっぽさ丸出しでないのがかえってそそられます。
ダニエル・クレイグ、一時期はまっていました。ダブルオーを演じる前だったので本作主役が決定した時は驚きました。わりとマイナーな俳優だったのが一躍第一線になってしまったのですから。
とはいえその魅力は変わらない、というかやはり完璧にゴージャスな俳優になってしまいました。それまでのかっこいいけどちょっと野暮なかんじだったのが懐かしい。もうあの感じには戻れないでしょうね。
とはいえゴージャスなダニエルも好きです。
私は昔人間なので007はショーン・コネリー一択だったのですがダニエルが演じてからはふたりになりました。
金髪碧眼の007なんて昔は考えられなかったのですが。
コネリーとは違う悩める007の感じもダニエルと現在の風潮に合っています。
裸になるとがっしりした体格が服を着るとしゅっとしてしまう。こういうのを着やせするというのでしょうか。
ボンドガールはエヴァ・グリーン。グレンと書いたほうが良いような気がするのですが。
今までとは違うイメージの007に合わせてボンドガールもずいぶん面変りしたような気がします。
クールビューティで魅惑的です。
不思議に惹かれてしまうラブシーンです。
暴力から遠ざかろうとしたのに暴力の権化の如き『007』を観てしまう。
その魔力は強大なのです。