ガエル記

散策

『如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜』2

本作は配信とテレビ放送で何度か観ていますので、ここに書く感想はそれを踏まえてのネタバレにもなってしまいますのでご注意を。

 

さて第五話の途中まで鑑賞しました。

1735年から即位した乾隆帝と後に皇后ともなる嫻妃(ウラナラ氏)の情愛の物語です。乾隆帝の時期は清時代でも華麗ながら衰退の様相もあったと記されています。本作は後宮の物語に焦点を置かれていて外界の歴史は省略されていますがその艶やかさで表現されています。そして同時に乾隆帝の心の移り変わりに時代も反映されているようです。

 

本作では乾隆帝になる以前の弘暦が幼馴染として親しかった青桜を皇后に望むも当時の皇帝(つまり父親)から反逆者の娘を皇后にすることは認められないと拒絶されてしまうところから始まります。

それでも広暦は青桜への好意を断ち切れず側福晋(側室)とするも嫡福晋となったフチャ氏はじめ他の女性たちをさしおいて青桜への熱愛を露わにしています。

先の皇帝が崩御し25歳の若さで広暦は乾隆帝となります。

太后であるニオフル氏は絶大な権力を持っていますが乾隆帝の実の母親ではなく育ての母であるために乾隆帝との軋轢が重なります(実の母でも同じだとは思うのですが)しかも青桜の伯母と激しく対立していたことで彼女は青桜に過酷な処罰を課すのでした。

 

ここから青桜の利発さが描かれていきます。

青桜はウラナラ氏の立場の無さを恨むことなく皇太后から信任を得ることに成功するだけでなく新しい名前を皇太后から賜りたいと願い出ます。

その名前こそが如懿(ルーイー)なのでした。この名前の意味は「静かに美しい」とのこと。ニオフルは「それ以上望むな。静かな幸福を求めよ」とも言っています。新しい名前を賜った青桜は「心に刻みます」と答えます。

 

如懿の役を周迅が演じているのはこれ以上ない適役、と私は思っています。

彼女の持つ不思議な魅力をなんと表現したらいいのでしょうか。

例えば皇太后フチャ氏(ドン・ジエ)は正統派美女と称えるのならどことなく風変わりでもあります。いつまでたっても少女のようなそれでいて毅然とした強さを感じる女性なのです。

反面声が低くて落ち着いた風情なのがより不思議さを増します。

女っぽさを強調してはいないのにコケットリーでもある謎の魅力です。