ガエル記

散策

『三国志』横山光輝 第五巻

表紙絵、劉備劉備張飛曹操ときたので次は関羽よね、と思ったらまた張飛???

えー主人公と出演数並んじゃった。横山先生の偏愛が過ぎる。

 

そして扉絵の後がこれ

やっと関羽・・・と言いたいけどぴったり張飛がくっついてるし・・・いやくっつきすぎでしょ。これほとんどキスしてるじゃない。髭髭キスじゃない。

実は関羽が一番の男前ですよね。

 

 

ネタバレしますのでご注意を。

 

やはり横山マンガはBLの元祖と言われるだけあります。

 

さて曹操董卓討伐が始まる。

ここで一度散開していた劉備たちがいつの間にか集合して公孫瓚に部隊参加を願い出る。

張飛はかつて董卓将軍に侮辱された屈辱をここでも関羽に愚痴るのであった。

 

曹操は総大将を自分ではなく袁紹に託す。

袁紹が求めた汜水関を攻める先陣を引き受けたのはかの孫堅であった。

 

ここで呉の孫堅が出てくるのか!と思いました。ここでは長沙の太守となっていますが。さすが孫堅部隊は強く驚くべき早さで華雄将軍副将の首を打ち取ったのだがそれを見た袁紹将軍の部下は「このような功績を成す孫堅は天下を狙っている」と将軍に耳打ちし孫堅部隊が待ち望む食糧輸送を取りやめたのだった。

無論このことで孫堅軍は力を失い華雄将軍の奇襲に大敗し孫堅は逃げ延びることになってしまう。

 

何やってんだか?って感じですね。そもそもの目標から外れた行動を取ってしまえばそれは手に入らない。

しかも華雄将軍の進撃に慌てふためく袁紹らに曹操

と酒を勧めるも更なるご注進に

ぽろりありさま。

こういう間合いが横山マンガの可愛さです。

 

とにかく(あんな真似をした)袁紹将軍らは怒涛の華雄攻撃にうろたえまくり。

果敢に一騎打ちを申し出た兪渉もあっという間に首を落とされてしまう。怯えまくる将軍たちの前に名乗り出たのが関羽であった。(やっぱ扉絵は関羽にすべきだったじゃない)

足軽如きを出せるかと喚く袁紹曹操は「ダメもとで試せば?」と進言。

これに答えて

いや男前ですね。

袁紹らが遠くで見守る中関羽華雄将軍と戦い悠然と首を持ち帰ってくる。

関羽のおひげふんわりしてそう。さわりたい。

この時から曹操関羽に惚れ込んだのでありましょう。

 

が、直後に張飛の「さあこの機に一気に攻め滅ぼしちまえ」の声に将軍たちは再び「足軽はさがれ」と罵り大将を失った華雄軍を撃滅する。

 

勝利に浮かれ騒ぐ将軍たちを横目に張飛はまたも悔しさをにじませるのだった。

 

現実社会でもこういうことはよくあるのだろうな。下っ端がいくら良い仕事をしても美味しい勝利は上がもっていくと。

 

さてと次の相手は呂布。果敢に張飛が挑みかかり劉備関羽も加勢するが赤兎馬で逃げ出した呂布には追い付けない。

 

とはいえ優勢となった反乱軍・袁紹たちは酒席で気炎を上げた。そこへ戻ってきたのが孫堅だった。

怒ってる・・・孫堅怒ってる。矢が刺さったままだし。

 

食糧を運ばせなかった袁紹孫堅はみすみす死んでいった部下の恨みを叩きつける。これは当然のことだ。

孫堅の怒りにたじろいだ袁紹は自らの失策を部下にお仕着せた。孫堅そして他の武将の前で無実の部下を打ち首にして逃げおおせたのだ。

 

一方劣勢となった董卓は忠臣・李儒の勧めで洛陽から長安への遷都を決行した。

董卓は諫める洛陽住民を殺め財産を奪い街に火を放って長安へと向かうのだった。

すぐさま董卓を追い討ちすべきと言う曹操に対し袁紹は休養を取ると反論する。

曹操はそうした袁紹を侮蔑し兵士たちを鼓舞するのだった。

 

この曹操の追い討ちは惨憺たる結果を引き起こすことになる。

李儒の策略によって曹操軍は壊滅されてしまったのだ。

 

しかしなあ、ここで追いかけてしまうのもわかるし袁紹にがっくりしたのもわかる。

李儒の存在を曹操は考えていなかったのだろうか。