ガエル記

散策

『三国志』横山光輝 第二十一巻 その2~三顧の礼~からもう一度

気持ちよさそう。これは起こせない。

 

とはいえ張飛は怒り狂い関羽はなだめ玄徳はじっと待っている。

やっと目覚めた孔明はそば仕えの少年から玄徳が「起こさなくってもいいと言った」と聞き謝罪した。

こうしてついに玄徳と孔明が相まみえることになる。

良い絵だ。季節は春。開け放たれた窓から心地良い風が入ってくる。孔明も寝足りているし玄徳は夢がかなった。ふたりとも良い気持ちでの出会いだったのではないだろうか。

玄徳、鋭いところを突いてしまったのだ。さらに玄徳は熱く孔明をかき口説く。

 

ここで孔明は一つの策を出す。

「統一することはあきらめ天下を三分するのです」

そのためには老いた劉表から荊州を受け継ぎ益州の悪政を成す劉璋を討たねばならない。

しかし同じ漢室の同族の国を奪えば人々のそしりを受けましょう、と玄徳は惑う。

これに孔明は「将軍の使命は国の乱れを救い人々を苦しみから救い漢室の復興を成すこと」「そういうことでお悩みとは大義と小義を混同なさっておりましょう」

これには玄徳もはっとする「その通りでございました」

「先生これからも側で私にお教えください」半分ほどの年齢の若者に玄徳は頭を下げたのだ。

孔明は分を守って畠を耕し本を読んでおります」と答える。

頑なな孔明に「駄目でございますか」と玄徳。

やっぱり玄徳って少女的なのだ。涙攻撃。

これにはさしもの孔明

涙で心を動かされてしまった。

ふたつ目のコマで物凄く早く考えてるのか?無なのかw

 

しかしこれでとうとう孔明は動かされた。最後は涙だったね。

 

孔明は弟の均を呼んで「将軍と共に行く」と伝える。

いくらなまけ者の私でも立たざるをえまい」という。ああ、二つ目のコマ、のんびりできる自分にさよならをしていたね。

 

こうしてついについに玄徳は引きこもりの孔明を外へ連れ出したのだ。

孔明二十七歳。

 

早速、劉表から相談事があるという手紙が届く。これにいち早く反応したのが孔明だ。

関羽が睨みつけてる~~~。張飛はどういうことって顔。

玄徳は殆ど何も考えてないね。

果たして劉表の相談事とは「わしの死後この国を継いでくれんか」だった。

息子はいても頼りにならない。劉表は玄徳に国を頼みたかったのだ。

これは孔明が話した「蜀」への第一歩だ。

しかし玄徳は恩人の不幸を自分の喜びに代えられない、と答える。

「遠回りをなさいますな」と孔明はつぶやく。

結局それができないからこそ玄徳はこの地位なんだよなー。

そして孔明初っ端からやはり苦労する。

 

さらに孔明は気苦労を背負わされる。

劉表の長男が「自分は殺害されそうになっている。助けて欲しい」とまたもや玄徳に頼ってきたのだ。

玄徳はここでも孔明に問うが孔明は「他人の家庭の事情には口を挟まないことです」と言ってにべもない。

ここで玄徳ちゃっかり劉琦に「孔明をそちらに伺わせますから」というのだ。

孔明の無駄遣い。

まあ、気になるよな。

 

劉琦は訪問してきた孔明を自室に連れ込み(!)またもや自分の危機を救ってほしいと願い出る。が、またも孔明は突き放す。

切羽詰まった劉琦は小刀で喉を突こうとする。

さすがの孔明もこれを止めた(やはり良い人だった、ほっ)

そして「それほどのお覚悟なら」と一つの話を聞かせたのである。

 

 

そんなら早く言ってあげてよ~と言う気にもなるがそこが孔明たることころでもあるのでしょう。

とにかく孔明は「玄徳のために蜀を作って天下を三分するのが仕事」なのだ。

本望の最初の一歩を玄徳は拒み別の面倒な用件は引き受ける。やっかいな将軍だ。

孔明もまた忠義の士なのである。