趙雲子竜表紙絵二回目。趙雲今回も(?)ってなってしまったんだけどなぜかというに目を見開いてるからなんだよな。趙雲だったら目をつぶっていてほしい。
写真を撮られる時一所懸命目を大きく見せようとしてるみたいな?目が細い趙雲が好きなのに~~~。
ネタバレしますのでご注意を。
が、まだ荊州にはいらない道中で彼は趙雲とその家来たちに出迎えられることになる。
供の者にまで酒をふるまったのだ。
これはもちろん孔明が間者を飛ばしていたために行えたわけですが蜀からの使者をこのように丁重に迎えるのが孔明・玄徳の戦法でありますね。
張松は無礼で傲慢としか(しかもひどい目に合わせた)思えない曹操に対し玄徳の人徳に感じ入る。
荊州に入り趙雲は張松一行に用意していた宿を指し示す。宿に到着すると居並ぶ兵たちと太鼓の音が張松を迎える。
いつになく穏やかな表情の関羽すてき。
関羽将軍の出迎えと知って張松は慌てて馬を降りて詫びた。関羽は笑顔で張松を迎え入れる。
おひげが柔らかそう。優しい関羽です。いつも睨みつけてて怖いからなw
旅の疲れで眠くなったという張松に自ら先にたって寝所へと送り届けてくれる関羽に張松は感服するばかりである。
翌朝関羽は張松を荊州まで案内していった。城の前には玄徳が孔明たちを従えて出迎えていた。
張松はその名を聞いて驚き馬から檻て礼を取った。
玄徳もまた馬を降りて張松の手を取る。玄徳は張松と会えて無上の喜びだと城へ招いた。
そこで張松は玄徳がまったく領土を持っていないことを知らされる。荊州は孫夫人の関係で借りているだけなのだ。
孔明・龐統は口々に我が君に領地を持ってほしいと言うのに対し玄徳は「自分にはそれほどの徳はない」と謙遜するばかりだった。
逗留三日、張松は玄徳が噂以上に立派な人物であると思い優れた智者や将軍が慕っているのもあの人徳あるからこそ、と考える。
そして玄徳に蜀を治めてもらえれば安泰なのじゃが、と思案する。
張松が蜀へ帰国すると告げると玄徳は十里先まで見送った。
そこで張松はついに玄徳に「蜀に国を建てられては」と言明する。
玄徳は蜀の劉璋は漢室の流れをくむ一門であり蜀を奪うことはできないと答える。
しかし張松は世の中の変化に我が主君は乗り切る智力を持ち合わせていないと言いさらに玄徳の力で蜀を治めて欲しいと説くのであった。
そして張松は正直に最初は曹操に蜀を任せたいと出向いたのだが魏の人々がおごり曹操は権力をかさに威張り散らしていたことを伝える。そして玄徳に蜀を取って曹操の野望を砕くため大義をお正しくだされ、と述べた。
だがのうと玄徳は続ける。「蜀を取ろうにも道険しく山高く河の流れは速く兵馬の進める所ではないと聞いている」
ここで張松は自ら下絵を描いた蜀の地図を玄徳に渡す。
そして漢中の張魯に蜀を取られてからでは遅い。速やかにお企てくださいと願い出て張松は蜀へと帰っていった。
この後関羽と趙雲はさらに数十里先まで見送ったというwwwやりすぎ~
ここから先の張松と友達の話がとても良い。
張松さん、お顔が不細工だというので軽んじられてしまいがちですが親友とは凄く仲良くて楽しそうなんですよね。
孟達は「魏の曹操とはうまくいかなかったと見えるな」と察する。
ここ吹き出しが張松から出てますが下にいる孟達が言ったセリフです。
この構図親友たちが集まったという感じですごく良い。『三国志』ではあまり見られないくだけた構図ですね。うまいなあ。
会話も楽しい。『三国志』ではほとんど上下関係の会話しか出てきませんがここでは対等な友人ならではの親しいやり取りになっています。
先に話し合った張松と法正は孟達に「我々が選んだ主君は誰かわかるか」「そうよなあ俺なら劉備玄徳だな」「俺たちも劉備玄徳だ」「そんなことならわざわざ魏まで行くことなかったじゃないか」「まったく」
良いなあ仲良し三人組。張松さんも楽しそうです。
ほんとに最初から玄徳にしてれば百叩きされずにすんだのにい。
翌日張松は君主劉璋に旅の結果を報告し国を憂う劉璋に劉備玄徳を招くことを勧める。
しかしこれに猛烈に反発する家臣がおり張松も諫めることが困難だった。
この場は君主である劉璋が制止することで張松の望むとおり法正を玄徳への使者に出すことができた。
この時点では劉璋は玄徳を同族であり国を奪うわけがない、と信じ切っていた。
この玄徳を忌み嫌う君臣たちの話は先も続くのだけどあまりに激しく凄まじい。
とはいえこれは私たちが玄徳側で観ているからであり結局玄徳は蜀を奪いに来るのだから彼ら抵抗する君臣たちは忠義なのだとしかいえない。いわば張松こそが国を売ろうとしているのだからな。
とはいえどうしても「玄徳のほうがいいのに」としか思えないんでwこれが物語の力なんですねw
そして当の玄徳はまたまたまたまた迷い始める。
そこには漢中の張魯が蜀侵略を狙っているため玄徳に兵の助力を求めることが書かれていたのだが法正は張松と話し合ったとおり自らはその兵力を持って主君劉璋を討ってほしいと願い出るのだった。
玄徳は再び考え込む。玄徳は曹操の逆を行くことで今まで仁義を示してきたのだという。それが今張松・法正・孟達の勧めで蜀に攻め入れば劉璋は滅びる。同族をあざむいて蜀を奪ったとなれば今まで守ってきた仁義は失われ天下の信を失う。
これに龐統は返す。「劉璋には事の定まった後に大国をあてがわれましたら信義をなくしたとは申せられますまい」
これに玄徳はやっと頷き「これも天意というものであろうか」と出兵と国の守りを検討することにした。
さて劉璋は玄徳の蜀への到着を聞き出迎えることにしたのだがこれを君臣たちが次々ととどめようとする。
ううむ。いったいこれってどういうことなのか。つくづく不思議なのだがこういうものなのかなあ。
がこの後玄徳はお出迎えの答礼の酒宴を開き劉璋を招くことになる。
ここで龐統・法正は張松から密書が届きそこに酒宴で劉璋を暗殺せよと書かれていたことを玄徳に報告する。
もちろん玄徳はこれに反対する。
「私は今蜀についたばかりで人民に恩義を施したこともなく信頼も受けていない。そのようなことをしたら人民に恨まれよう。今は駄目だ」
これに対し龐統たちは玄徳に背いても決行しようとする。
龐統の目配せで魏延が「剣の舞をお見せいたす」と言って剣を振って舞い始める。
これを見た劉璋の部下も「剣の舞には必ず相手がいる」と言って供に舞い始める。ふたりは剣を振りあわせながら互いの動きに注視した。
これに再び龐統は目配せをする。
部下たちが次々と剣を持って舞い始めたのだ。
これに玄徳は「無礼であるぞ」と声をあげた。
「われら兄弟は漢室の一門として心許して酒盛りをしておるになんたる殺伐なる剣の舞を演じるか」
劉璋もこれに賛同し部下たちは仕方なく剣をはずして外に置いた。
玄徳はそれでよいと言って部下たちに自ら酒を注いでまわった。
酒宴後玄徳は珍しく龐統を怒鳴りつけた。
「あの振る舞いはなんたることか」
これに龐統は「ああまた遠回りをなされるか」とつぶやいた。
しかしこれは玄徳の言ってるとおりでしょ。いくら人徳の人と言ううわさがあっても我が土地にきていきなり主君殺されたら人民は驚きますよねえ。
これは龐統あまり巧くないと思う。
しかし剣の舞のエピソードはなかなか面白おかしく見ごたえがありました。
心の中で殺意を持ちながらダンスするって面白いです。
一方劉璋の家来たちも玄徳の家来たちの正体がわかったと述べ合う。
それでも劉璋はまだ「玄徳は余を殺す気などなかった」と返す。
その時漢中の張魯が攻めてきたことが報じられる。
この知らせはすぐ玄徳に届き玄徳軍は動き出した。
その勇姿を見て喜ぶ劉璋に家来たちは繰り返し玄徳の心変わりを心配する。
家来たちの苦言に劉璋も根負けし自身は成都に引き返すことになったのである。
それぞれの攻防が面白い。
少しずつ変わっていくのだ。
そしてあれほどの知恵者と思われた龐統がここで少し孔明とは違うことが解ってくる。
玄徳は孔明に怒ったことはなかったのでは。